初等部 園長・校長コラム「風」

風Ⅱ-121 子どもが子どもらしくいられる時間、空間を

 私たちの園、学校では、〈子どもが子どもらしくいられる最良の時間と空間を大事にしたい〉と考えています。小学校では、〈放課後も、ゆったりしたり、夢中になって取り組める時間、空間を保障〉したいと考えます。
 そのことの大切さを、この春に卒業した子どもから教えてもらいました。作者は、自分らしさを豊かに育んでいました。

   私とダンゴムシ
                            2016年度卒業生

 私は、ダンゴムシが大好きです。
 幼稚園生の頃、学校でダンゴムシが沢山いる所を発見しました。そこは購買部の前のレンガの道で段差の間に穴があいてる所です。ある日、天気があいにく、雨でレインコートを着ていました。母に内緒でダンゴムシを家に持って帰りたくて、レインコートのポケットにダンゴムシを、数十匹入れて帰りました。電車に乗って座っている時も、ポケットをおさえて、ダンゴムシが外に出ないようにしていました。とてもドキドキしていました。
 帰宅して、しばらくすると母の悲鳴が聞こえてきました。この後、どうなったかは読者のご想像にお任せします。
 小学校低学年の頃は、自然広場の大きい石の裏にダンゴムシがいて、遊んでダンゴムシの行動を観察していました。例えば石の上や、葉っぱの上、毛糸の上、木の上、などに乗せて見ていました。その中でも毛糸の上に乗せた時だけ、ダンゴムシが動かなくなり、じーっとしていました。具合が悪くなったと思い、土に返してあげたら急いで逃げてしまいました。きっと毛糸の感触が不思議だったのかもしれません。
 高学年になると、ダンゴムシの食べ物について興味がわいてきました。与えてみた物は、にんじん、レタス、枯れ葉、じゃこ、パンなどを与えてみました。その中でも特に喜んで食べていた物は、パンでした。とても意外でした。パンをあげてみたら、お腹が空いていたみたいで、ムシャムシャ食べていました。どうやって食べているのかな? と思い、見てみたら口を上下に開いて食べていました。私の小指ぐらいの大きさのパンを四~五分ぐらいで完食してしまいました。
 また、手の平で出産したこともありました。このダンゴムシは、私が下駄箱で飼っていたダンゴムシです。たまたま手の平に乗せて遊んでいる時、私が、あお向けにしたら急にお腹に切れ目が入って沢山の赤ちゃんが出てきました。大きさは一ミリ程度で、色は薄い黄色で目は黒色でした。静かに元に戻してあげました。翌日、自然広場に返してあげました。無事に成長しているといいです。
 また、顔にダンゴムシを乗せて遊んだこともありました。ダンゴムシは足が十本以上生えているのでとても、くすぐったかったです。でも、友だちの前でやると気持ち悪いと思われるので、これは一人でやる遊びと決めていましたが、友だちの〇〇ちゃんだけは、「それいい考えだね」と、言ってくれました。とてもうれしかったし、自信が持てました。私も、これから色々な人と出会うと思いますが、まず相手を否定するのではなく、できる限り認めてあげる努力をしたいと思います。
 今まで、ダンゴムシと遊んでいて、自然とオス、メスのちがいやワラジムシとのちがいを学びました。まず、オスとメスのちがいですが、オスは見た目が黒くて、お腹をさわると固いのです。メスは見た目がオスほど黒くありません。お腹にふれると少しやわらかい感しょくがあります。また、ダンゴムシと似ているワラジムシという虫がいます。けれどワラジムシはダンゴムシのように丸くなれません。これがワラジムシの特徴です。
 図鑑をみれば、詳しく載っていますが、私は遊びを通して自分で見たり、触れたりすることによって自分なりに学べたと思います。こんな小さなダンゴムシから、八年間色々なことを知ることができました。まだまだ知らないことも沢山あると思うし、これでダンゴムシの全部の観察は終わらないと思います。中学生になったら生活が忙しくなると思いますが、たまに時間をみつけて、ダンゴムシの観察をしたいと思います。休み時間に、たまたま友達がいなくてもダンゴムシが、ずっと今まで八年間いてくれて、とても心強かったです。

ダンゴムシ
手の平乗せて
遊ぶけど
くすぐったくて
たえられない
ダンゴムシ、今までありがとう。