初等部 園長・校長コラム「風」

風Ⅱ-117 卒業おめでとうございます

3.17 卒業おめでとう杏の花が満開で、お祝いしてくれましたいろいろな学年がプレイルームでまとめの会を行いました6年生のまとめの会より4年生のまとめの会よりこぶしの花も満開です2月の休日。3月に結婚する同窓生のために仲間が集まりました、思い出ビデオを撮るために、当時の恰好で20年以上ぶりの竹馬。乗り方を覚えていました

 皆さん、卒業おめでとうございます。ご家族の皆様にも、お祝いを申し上げたいと思います。お子さんのご卒業おめでとうございます。卒業は、一人ひとりにとって大きな育ちの節目であり、保護者の皆様にとって、私たちにとっても、大きな育ちの節目です。
【入学】
 皆さんが入学したのは2011年4月でした。その前、3月11日に東日本大震災がありました。たいへん大きな被害が出て、6年たった今も苦しみ、悲しみを抱え、生きている方がたくさんいます。大地震や原発事故により、私たちの学校でも入学式を無事に行えるのか、何かあった場合の対応など、子どもたちの安全を深く考えたのでした。何よりも、私たちは子どもたちがいてくれること、子どもたちと過ごす日々の尊さを感じたのでした。
【6年間を振り返ってみて】
 さて、皆さん、この6年間を振り返ってみましょう。がんばったことや成長したと思うことは何でしょうか。(※)
 友だちとの関わりで変わったことは何でしょうか。(※)
 (※は、風Ⅱ-116「2、もうすぐ卒業生より」に掲載)

 桐朋小学校では、〈自分が自分であっていいというおもい〉を育むこと、「はやくやる」ことや「できる、できない」という結果ばかりに目が行くのではなく、取り組む過程を大切にし、できないことや失敗することも大切にしてきました。良いこと、頑張ったこと、 優れていることも大切にする、失敗の経験や、否定的な気持ちも含めて表現し、それも認めながら生きていけることを大切にしてきました。皆さんとの関わりでは、「みんなの前では声に出せない心の声、一人ひとりの声を大切に、受け止めてほしい」、「一人ひとりの存在を大切にすること、人との関わりを考え、他者を大切にすること」などを大事にしたいと考えてきました。
 学習では、知的好奇心やくいついていく力、コツコツと努力すること、「疑問を持ち、じっくり考えること」、「探究し発見すること、学ぶことのおもしろさや魅力を」、「自分自身の世界を知ること」、「いろいろな人の気持ちや考えを受け止めること」などを大切にしたいと考え取り組みました。
 また、一人ひとりがかけがえなく、一人ひとりが役割をもち、やり遂げることによって自信をもつこと、自己肯定感をもつことを大切にしてきました。6年生では、委員会活動などで下の学年と交わり、たくさんの力が発揮されました。企画、準備、実行、振り返りのなかで、物事を多角的にみる必要性や他者の視点に立つこと、協力の必要性とその方法、見通しを立てることなどをしたと思います。そのような力は、学習を行動に結びつけていく場であり、学んだことと自分たちの生きていく社会を切り結ぶことに繋がっているのです。
【21世紀社会をどうつくるか。その担い手になってください】
 今、世界をみると、教育に力を入れている国がたくさんあります。それは、21世紀の社会をどうつくるかという課題からです。人口問題、食料問題、環境問題、エネルギーの問題、戦争や紛争、テロの問題、格差の問題などがあり、地球を持続していくために、そのような課題をどうしていくのか、担い手を育てなくてはなりません。桐朋小学校の教育目標「社会の主人公としての根っこを育てる」ことにも繋がります。
 では、どのように育んでいくのかについてです。たとえば、戦争や紛争、テロの問題について考えてみます。
 皆さんは、夏に戦争体験の聴き取りをしました。
「おじいちゃんが初めて国民学校に通った時の写真を見せてもらいました。胸についている白い布は空襲で怪我をした時や死んでしまった時、どこの誰かすぐわかるように名前と住所と血液型が書かれているそうです。脇に抱えているのは空襲に備えるための防空頭巾で、通学の時には必ず持っていかなければならなかったそうです。おじいちゃんは、子どもがこんな姿で学校に行くような日は二度と来ないでほしいと言いました」「紛争が今も各地で起きていて、一般市民がまきこまれる悲惨な事件が続いています。なので、平和を築くためにはどうすればいいのか、考え続けてほしいです」(祖母や祖父から「子どもたちに伝えたいこと」)
「ぼくは戦いたくないし、親がいなくなったり離れたりするのが嫌だし、これからもふつうに生きて生きたいから、ぼくは戦争が起こるのがいやです。ぼくのパパは大人になったら戦争が起こるかもしれないと言っていました。夏休みに資料館に行った時、色々悲惨な物があって、これが本当にこうなったと思うと、怖くて夜も眠れませんでした」(『戦争の学習から学んだこと、未来につなげたいこと』)
 このように歴史を知ること、考えてみること、調べ理解を深めること、自分の考えを表現することなどを続けていくことだと考えます。
【かけがえのない命を大切にしよう】
 自分史では、一人ひとりのかけがえのない命、存在を考えました。
「私を授かる前、母のお腹に三回赤ちゃんが来たけれど、上手く育たなかったから、私の誕生を親戚のみんなが喜んでくれた」「私の前にはもう一人赤ちゃんがいました。しかし、その子は生まれる前に死んでしまい、家族にとって待望の赤ちゃんでした」など、一人ひとりの命の誕生にはたくさんの願いがありました。誕生してからは、そのままのあなたでいい、あなたのままでいいという大きな安心と、あなたがいてくれる幸せのなかで育ってきたのだと思います。

 保護者の皆様のおかげで、本日、卒業式を迎えることができました。6年間支えていただき、お世話になりました。ありがとうございました。

 これから新しい世界にとびたつ皆さん、自分らしく生きること、一人ひとりちがうことの豊かさを大切にし、かかわり合い、折り合いをつけながら、自分を成長させていってください。
 卒業おめでとう! (3.17 卒業式でのことばより)

 

風Ⅱ-116 修了、卒業、進級(幼)、おめでとうございます

6年生を送る会-希望をのせて風船とばし5年生、朝早くからの準備をありがとう幼稚園の園庭より民舞団の公開練習新しく手作りのゴミ箱を作っていただきました。ありがとうございました。大切に使います友だちと協力して衣装をつけていきます進級修了おめでとう!あんずが満開になりました

 修了、卒業、そして進級は、その子その子にとって大きな育ちの節目です。保護者の皆さんにとっても、これまでの子育てを振り返り、新たな節目となるでしょう。修了、卒業、進級、おめでとうございます。

1、幼稚園の修了を迎えて -幼稚園2年間で、保護者の方が感じたことより
◆◇「他人をうらやんだりせず、ブレない自分を持っていられる強さ」は、おそらく幼稚園生活で母子共に学んだものなのではないかと思います。子どもの世界を大切にする感覚・本人を信じて待つ大切さを得たことは、何よりもの宝です。 ◇◆電車に乗って通園した二年間、よく頑張ったと思います。母も。通園までの二人の時間、とても大事で、折り紙、本、あやとり、楽しかったです。 ◆◇保育園の頃から、我が子は割と何でも要領が良く先生の指示通りにできていて、私もそれが良い事だと思っていました。また仕事もあり時間の余裕がなかったので、早く、テキパキと何でもやってほしいと思っていました。しかし、その生活の中で我が子が本当に好きなことや彼女の思いに気づけていませんでした。幼稚園での2年間で、誰かと比べたり、せかせたりすることなく、「今」を大切に子どもと向き合うことを学びました。 ◇◆自分に自信を持つようになったと思います。また、自分の考えや思いを伝えられ、またその思いを仲間が受けとめてくれ、楽しくすごしているんだなと思います。 ◆◇大好きなコマの遊びでは、集中して取り組むという力をつける事ができました。色々な技を先生から教わり、家でも練習をし続ける毎日。出来るようになり、「見て見て」とうれしそうに言ってくる様子が私もうれしく、頑張れば何だってできるんだ、ということも学んだようです。 ◇◆思い通りにならない場合に、気持ちをコントロールできなかったり、子ども同士ぶつかり合いになったりすることが多かったのではと思います。子ども同士のぶつかり合い、トラブルになった際に、解決方法を子どもに任せることはとても難しいことだと思いますが、その分学ぶことが多かったと思います。2年間で学んだことは、今すぐ成長として表に出ていなくても今後の成長過程でプラスになると思います。 ◆◇自分が困っているから助けて、と周りに頼むことも、桐朋の子どもたちから学びました。コマ、工作、縄跳び、歌など色々な活動の中で、それぞれ得意不得意があると思いますが、優劣をつけるのではなく、上手な子にやり方を聞いて、自分もできるように努力する、周りもそれを応援する、そんな姿から学びました。子どもと一緒に大きく成長できた2年間でした。 ※お一人おひとりの書いてくださったのを読ませていただきました。ありがとうございました。

2、もうすぐ卒業生より -『自分史』などから
 卒業を迎えた6年生が、自分や友だちの変化、成長をどう捉えているのかを紹介します。6~8年間のなかで、かけがえのない一人ひとりが、他者とかかわり、折り合いをつけながら変化、成長していることが読み取れます。

●○桐朋幼稚園の時、誰とも話せなかったけれど、勇気を出して前から気になっていた子に話しかけたら友達になってくれた。 ○●恥ずかしがり屋で、全部『ママー』だったけど、今はたくさんの人としゃべれる様になった。 ●○入学した時、極度の人見知りだったけれど、今は少しでも多くの人と知り合いたいと思っている。 ○●1、2年生の頃は人の前に出て話すことなんて絶対出来ないほど恥ずかしがり屋だったけど、今は全然平気になった。 ●○1年~2年はあまりふざけるなど、友だちと楽しく遊べなかったけれど、3年~6年ではふざけられるようになった。 ○●昔はすごく泣いていたけれど、今は泣かなくなった。 ●○人の意見を聞くようになった。 ○●少しだけ相手の行動や意見を尊重するようになった。 ●○幼稚園の頃より人の事を考えられるようになったと思う。 ○●昔は、すぐ人に頼っていたけれど、今は結構自分で判断できます。 ●○3、4年までは、仲の良い友達が他の子と遊んでいると、すぐ焼きもちを焼いていたけれど、今ではそんなことで焼きもちを焼いたりしなくなりました。 ○●判断力がつきました。好き嫌いやこばむことが減った。 ●○身長がかなり伸びた。足が速くなった。 ○●毎日たくさん自然広場で川を渡ったり木に登ったりしていたからか、運動が好きになった。 ●○□□は桐朋幼稚園の時、おとなしかったけど、今では何でも意見を自分から言って変わったな。 ○●◇◇は、1、2年の時すぐ泣いていたけれど、6年間であまり泣かなくなった。 ●○▽▽と6年間同じクラスで、1、2年の時は正直いって怖くて、すぐ暴力をふるうようなイメージだったけれど、今はすごく面白いし、すごく変わったなって思います。 ○●昔の◇◇ちゃんは、あまりクラスの人(全体)の前で発言できていなかったけれど、今はちゃんと発言してくれます。

風Ⅱ-115 総合・体験を通して学ぶ「2年生のパン作り」

自然ひろばでパンを焼きました生地を伸ばしながら巻いていくのもなかなか難しいですね上手に生地を伸ばしていきましたね体温で膨らんでいきました膨らんでいくのがたのしみで、楽しくなって!

 2年生・総合の『学校で働く人』。私たちは様々な仕事をする人たちに支えられながら生活していることを学びます。
 学校で、美味しいパンを販売する石黒さんにも学びます。その前に自分たちでパンを作りました。子どもたちの感想を読ませてもらいました。
〇まずさいしょにパンをやくって言われたので、びっくりしました。家でしらべたやりかたとは、ぜんぜんちがかったのでびっくりしました。まずおなかであっためるとは、思っていなかったからびっくりました。
〇きのう、パンをつくっていて、ぼくはこう思っていました。「パンのざいりょうってこんなにあるんだ!」って思っていました。
〇パンのざいりょうを入れました。さいごの強力粉を入れるときに、じ分の手に強力粉がかかりました。そして手が白くなってしまいました。そしてじ分の入れるのは、しおでした。こねてはっこうさせたら、ふくらんだかんがありました。
〇食べるところがすごくこげちゃって、かりかりしちゃって、こげちゃったばしょがおいしくなかったけど、うまくやけていたばしょが、すごくおいしかったから、すごくたのしかったです。

 体験を通しての実感、発見は、たいへんすばらしい学びです! 
 パンを作るには、たくさんのことをしていることがわかりました。〇材料を用意する 〇はかる 〇まぜる 〇分ける 〇生地をこねる 〇お腹であたため、発酵させる 〇竹の棒に巻きつけ、棒を回しながら、あたためる 〇ふくらませる 〇焼くなど 
 材料選びからつくり方までをいろいろと考え、美味しいパンづくりをされている石黒さん。どのような気持ちや考えを持って、どんなふうにパンを作っているのか、いっぱい学んでほしいと思います。

 学ぶということは、知識や技術を獲得するだけでなく、その後の人生におけるものの見方や考え方、生き方を創っていくことでもあります。人や事物と豊かにかかわり、実感をとおして学ぶことを大切にしています。私たちの総合活動ではそのような学びを、子どもたちと共に積み重ねていくことを目指しています。

風Ⅱ-114 美術展

1年生の子どもたちといっしょに鑑賞をしました「美術が好きになった!」「これっ、2年生になったらつくりたい!」などの声をききました兄弟の作品、友だちの作品、5年生のパートナーの作品、その良さを見つけています

 全園児・児童の作品を展示してみていただく美術展は、1年おきに桐朋幼稚園・桐朋小学校(初等部)合同で行う行事です。

 幼稚園では、「表現を楽しむ」ということを実感できるような試みを展開しています。造形的な表現活動において、素直に自分の思うように表現していいのだという感覚をたっぷりと味わい、さらに表現することが楽しいと思えるようなテーマ遊びや活動を実践しています。もう一つ重視していることは、『表現する気持ち』と『生活』との結びつきです。生活の中から表現してみようというテーマを見つけたり、造形的な活動で経験したことが日々の遊びに繋がっていくことがあるからです。今回の美術展の展示物は、子どもたちが『表現を楽しんだ』ものです。制作の途中経過及び、完成した作品を展示します。

 小学校では、美術の授業のなかで制作したものの中から、一人ひとりの「描く力」「つくる力」をみていただくのにふさわしい作品を子ども自身が選んで展示します。日々の授業では、子ども一人ひとりが完成に向けてめあてを持ち、誠実に取り組むように声をかけています。
 展示されている作品の中から、子どもたちの制作の様子や話し声が伝わってくるような美術展ができればと願っています。 
 1年生【かく】◇画用紙のへんし~ん ◇金魚鉢と金魚 ◇とうもろこしを描こう ◇ローソクで描くあじさいと雨 ◇土の中の動物や虫のおうち ◇元気良く踊った荒馬 ◇ローラー遊び・〇〇がいっぱい ◇え・かきぞめ 1年生【つくる】◇とくべつランチ ◇おいしいおやつ ◇モンスターのパペット ◇森のゆうえんち ◇おりもの 
 2年生【かく】◇きれいな海のきれいな金魚 ◇消防車がやってきた ◇見て描くトノサマガエル ◇花笠の踊り 2年生【つくる】◇ねんどのけもの ◇空想の動物とお家 ◇おりもの(マフラーを織る)
 3年生【かく】◇いろいろこいのぼり ◇この木なんの木? 空想の木 ◇見て描くザリガニ ◇物語を聞いて~十二支の始まり 3年生【つくる】◇粘土 オリジナルうえ木ばち ◇たのしい屋台 ◇木工作「ギコギコトントン動物園」
 4年生【かく】◇樹のある風景(フロッタージュを活かして) ◇消防自動車がやって来た! ◇一版多色刷り木版画・「生きものたちの不思議な世界」 ◇カエルの散歩 4年生【つくる】◇引きだして作る生きものの形 ◇世界にひとつのオリジナル黒板 ◇ふくろを織る
 5年生【かく】◇窓の向こうの世界 ◇木版画 好きな動物のいる風景 ◇エイサーを踊ったよ ◇秋を見つけて 5年生【つくる】◇木工作 写真立て ◇魔よけのかお ◇将来の夢ボックス ◇絵を織る
 6年生【かく】◇私の好きな詩や物語の挿絵 ◇空想して描く「いろいろな表現方法を使って」 ◇思い出の校舎 ◇鉛筆のデッサン ◇思い出の一場面を描く ◇見て描くシクラメン 6年生【つくる】◇粘土 壺 ◇動く紙工作 ◇一枚の板から・私の宝箱      〈2016年度 美術展案内より〉

 美術展の会場づくりでは、パネルや机運びなどで、高学年の子どもたちが活躍してくれました。パートナーの低学年の会場づくりなども、高学年の子どもたちがすすんで進めてくれました。

風Ⅱ-113 一人ひとりが育つ場を豊かに

21日、幼稚園でお餅つきをしました保護者の皆さん、お世話になりましたばら組の皆さんは、とってもたのしみにしていたのに、参加ができず残念でしたお父さんたちもたくさん来てくださり、ありがとうございました

 初等部では、数年間に渡り、よりよい保育を願って取り組んでいます。
 12月、幼・小研究会において、私たちが大事にしている生活、活動(学習)を学びました。その一つに、一人ひとりの違いを大切にしながら、かかわり合い、自分の気持ちや考えを伝え、他者の気持ちや考えを理解すること。そして折り合いをつける体験を重ね、自分を成長させていくことがあります。また、幼・小の教員でいろいろな園を見学させていただき、「五感を育む・体験から培われる知力・友だちと繋がる・やりたい思いが膨らむ」など、保育や環境について学んできました。
 12月27日、千葉県にある和光保育園を見学させていただきました。5歳児が部屋に劇の大きな舞台を作っていました。子ども一人ひとりが安全に電動ドライバーを使い、舞台を固定します。その集中力や満足感、誇らしげな様子を見ました。その仕事の様子を下の学年の子が見ていました。1月の研究会には、和光保育園の鈴木園長(全私保連 保育・子育て総合研究機構代表)と関東学院大学の久保さん(桐朋幼稚園の共同研究者)が来てくださいました。その後の劇活動について尋ねると、何の劇にしたいか各自好きな本をもち寄って話し合ったそうです。そして、選ばれた本で役割を話し合い、台詞を決めるなど、子どもたちとすすめているそうです。子ども一人ひとりが社会の主人公として根っこを育てる保育について、他園より学ぶことがたくさんあります。

 2018年度より、幼稚園教育要領が新しくかわります。幼児教育の鍵と言われている「非認知能力(スキル)」の内容がたくさん盛り込まれるでしょう。認知能力と違って目に見えにくいのですが、目標や意欲、興味、関心をもち、粘り強く、仲間と協調して取り組む力や姿勢を大切にするものです。「非認知能力」の育ちが生涯にわたり生きる力に繋がることをアメリカの研究者は実証しています。このような力や姿勢をこれまで大切にしてきたと考えます。今後も研究、研修を重ねて、子どもが育つ場を豊かにしていきたいと考えています。

風Ⅱ-112 命の尊さを感じて

卒業アルバムの写真撮影「自分の思い出の場所」園庭の子どもたち すばなし桐の皆さん、1年間ありがとうございましたテラスでの子どもたち粉雪の降る寒い中でのお米とぎ、たいへんでしたね部屋やテラスではこまがはやっています木を切る作業をじっと見て

 6年生の子どもたちと「自分の誕生~かけがえのない命~」の取り組みをしています。取り組みを通して、自分自身の命の尊さを感じてほしいと願います。
 冬休みに、
○自分の誕生について(生まれるまでのこと、生まれた時の様子、名前の由来、はじめての○○など)調べてもらいました。
○へその緒、母子手帳、生まれた時の写真やはじめて○○した時の写真などを探してもらいました。
 保護者の方へ協力をお願いしました。子どもが聴きたいこと『お腹にお子さんの命が誕生したことがわかった時のこと』『それ以降、食事の変化はなかったか』『食事や通勤などで気をつけたことはあったのか』『お腹を蹴ったことがわかった時のこと』『生まれそうになった時の様子や生まれる直前の出来事』『生まれた瞬間の様子』『はじめて家に来た時のこと』『しゃべった時のこと』『歩いた時のこと』『病気やケガで忘れられないこと』『よく手にしていたもの、よくやっていたこと』など、いろいろな質問にこたえていただきました。思い出の写真や洋服や靴などついても話をしてもらった子もいました。ありがとうございました。子どもたちにとって、かけがえのない命について感じる機会になったと思います。

 子どもたちがまとめたものからです。
〈母の日記〉
 明日はいよいよ出産。赤ちゃんが元気で無事に生まれてくれるかだけが、とても心配。男の子でも、女の子でも、ただただ健康に生まれてきてほしいの。とにかく元気に産んであげたい。神様、お願いします。私達に元気な赤ちゃんを抱かせてください。

 先生が「力を抜いて、もうすぐ赤ちゃんが出てくるよ。」と言った気がする。そして、「もうすぐですよ。」「出て来た。」と先生たちの声。私は思わず「お願い、泣いて。」と叫んだ。「はい出てきたよ。」と先生。そして待ちに待った赤ちゃんの声。その後も続く泣き声…よかった。泣いてくれている。「おめでとうございます。」と女性の声。先生が「どっちかな?」と聞くと「女の子です。」と。よかったと思うと涙があふれた。麻酔の先生がふいてくれたが止まらず、肩まで流れてきた。

〈生まれるまでのこと〉
 私を授かる前、母のお腹に三回赤ちゃんが来たけど、上手く育たなかったから、私の誕生を親せきのみんなが喜んでくれた。
私が生まれるまでのこと。家から二時間かかる病院に通っていた母。妊娠がわかり受診すると約一センチの胎のうを確認できた。この時母は(成長することを願うばかり、不安は消えないけど頑張るしかない)と思ったらしい。/一週間後受診すると胎のうは二センチになっていて、その中に白く見えるところがあり、先生に、「赤ちゃんになるところだよ」と言われたそうだ。このころより、買い物、ゴミ出し、部屋のそうじなど、家事全般は父の仕事。次の受診時、小さかった白い点は0.8センチになっていた。先生は、「なんとなく心臓の動きがわかるかな」と言っていて、母は安心したそうだ。実際に心臓が動いているのを見た時、感激し、涙が出たと言っていた。父も大喜びし、母に「頑張ろう」と言ったそうだ。

〈ぼくの誕生!!〉
 〇月〇日の真夜中に病院に行きました。破水してしまったけれど、無事に八時間二十五分かかり生まれました。母はぼくが生まれてすぐ、人生初のうれし泣きをしたと言っていました。父はすごくうれしかったし、まだあまり実感がないと言っていました。/ぼくが生まれた時の体重は二千四百六十六gで、身長は四十七・五㎝、胸囲三十一・五㎝、頭囲三十三㎝でした。これを聞いて、小さくて軽いと思いました。もう少し後にうまれたら、もっと大きかったのかと思いました。/(中略)ぼくの弟を母が生むとき、立ち合い、すごく大変そうなのを見て、この時間の倍かかってぼくを産んでくれたのを知ってすごく大変な思いをして産んでくれたんだなあ~と強く感じました。おじいちゃんおばあちゃんにとっても初の内孫で、とても喜んでくれたようです。

〈まとめ〉
 今回、自分史をまとめるために自分の生まれた頃の話を家族に聞いたり、僕が小さかった頃のたくさんの写真を観てわかったことがあります。それはどの写真を見ても、僕を囲む家族が皆、笑顔で写っているということです。僕の誕生をとても楽しみにしてくれて、そして元気に生まれてきた僕を囲んでいる家族の顔は皆、とても嬉しそうで、本当に喜んでくれていたんだということがとてもよくわかりました。僕のことを大切に抱っこしていたり、僕の顔を見ながら笑顔になっている家族の顔はとても幸福そうに見えます。僕はこんな風に家族や周りの人たちに愛されて、大切に育ててもらったのだと思いました。

風Ⅱ-111 新しい年を迎えて

6年生『新しい年に向けて自分が思っていることを書こう』3学期始業式 5年生のリコーダー演奏「パッヘルベルのカノン」始業式では、調布警察署の方より交通安全の話をしていただきました2学期終業式 3年生のリコーダー演奏幼稚園ゆり組 大切なこま園庭のレモン理科園・しぜんひろば委員会の子どもたち落ち葉のふかふか絨毯は気持ちいいですね

 2017年がはじまりました。今年もどうぞよろしくお願いします。
 冬休み、送っていただいた年賀状にはたくさんの願いが書かれていました。
「竹馬3段まで行きました」
「とびばことなわとび がんばります」
「こ年はサッカーがうまくなってシュートをきめたいです」
「私は3年生になり、いろいろなことができるようになりました。いつかみてほしいな」
「ぼくは4年生の音楽会にむけてリコーダーをがんばりたいです」
「4月のクラスがえがドキドキ楽しみです」
「今年は五年生になります。団活動と委員会活動が楽しみです」
「6年間弱ありがとうございました。小学校生活の残りの時間を、大切にしたいと思います」
「今年は中学生になり、新しい生活がはじまるのが楽しみです」
「小学校で学んだことは中学校でとても役に立っています」
「高2が最後の文化祭になるので、新体操部の発表を頑張ります」
「昨年30歳になりました。益々成長出来たらと思います」

 願いを教えていただきながら、新年の願いを大切に行動していきたいと考えました。小学校では、1学期に各クラスより出された願いを、子どもたちといっしょに力を合わせて実現したいです。「上級生が下級生を守る、楽しい学校にしたい」など、願いをかなえるために、意識して毎日を過ごしていきたいと思います。願いの実現に向けて取り組み、自分なりの変化、成長したことをとらえてみること、うまくいかなくても過程の努力を認められることなども大切にしたいです。
 今年も、人や物に触れる体験をだいじにして、わくわく、どきどき感いっぱいのたのしい初等部(幼稚園、小学校)にしたいです。「子どもがもっている自ら変わる力、子どもの問いを励ましあう」こと、「丁寧にその子その子のもち味を引き出すように援助する」こと、「一人ひとりに丁寧にふれ合って、子どもも教師も育ち合える」ことを大切に過ごしていきたいと思います。

命を守る、地震に備える
 冬休み、茨城県北部を中心に強い地震(震度6弱)があり、東京も揺れました。地震と火山活動が活発な日本で、いつ東京や神奈川でも大地震が起きるかわかりません。そのための備えや学びを続けていきたいです。登下校中や一人でいる時に、命を守るためにはどうするかを考えてみる、大地震の後には余震がある、通路の確保や火を止めるなどを知ることなどです。ご家庭でもよく話し合ってください。 
   こわい大じしんがきた      福島県 1年 舟田 理奈
 三月十一日、地しんがおこりました。学校の教室がガタガタ音がして、グラグラよこにゆれました。先生が、
「つくえの下にもぐって、あぶない。」
と言いました。みんなでつくえの下に入って、りなは学校がくずれちゃうよと思いました。ゆれが大きくて、友だちは泣いていました。
 シューズのまま走って外ににげました。校ていでみんな丸くなって、お母さん早く来てと思いました。お母さんが来て、ほっとしてなみだがでました。
 家にかえると、かいだんからしょくぶつの土がたくさんおちて、たなの本もぐちゃぐちゃになっていました。水が出なくて、トイレもおふろも入れませんでした。
 十四日の日、お母さんが、
「原ぱつがばくはつしたから、にげよう。」といいました。私は原ぱつって何って思ったけど、大へんなことだと思ってこわかったです。
 みんなであいづのじいちゃんの家ににげました。三しゅう間いました。雪がふっていて、すごくさむかったです。
 あいづの学校に行くかお話をしました。家ぞくみんないっしょがいいと、大すきだからなきました。
 四月に原町に行ったけど、先生のかおを見て、うれしかったです。親友はもどってなかったけど、みんながいてがんばれました。早く一小にもどって、思いっきりあそびたいです。 
 (福島子ども文詩集『地下水』第7号より掲載)
 この作文より、地震の怖さ、安心できる人や友だちがいること、生きていることのすばらしさを感じます。福島など大きな被害を受けた地域のことをこれからも考えていきたいと思います。(2017.1.10)

風Ⅱ-110 なんでも発表会

みんなとってもたのしんで発表を観ていたよたくさんの人たちが目の前にいて、どきどきしたかな朗読に聞き入りましたプレイルームいっぱいの人でした学校中で、さらにこまが流行りそうですたのしかったよ!手品もどうしてなのか不思議でたのしかったですね

 子どもたちの『なんでも発表会』に参加をしました。会場には、たくさんの1年生~6年生が集まり、発表する子どもたちにあたたかい声援を送っていました。上級生の発表に、憧れを抱いた子もいたと思います。友だちの表現をじっと見ていて、拍手を贈る子がたくさんいました。ぼくは、知らない曲やダンスを堂々と発表する子たちの姿にたいへん驚かされ、「凄い!」と思いました(私の小学校時代には考えられません)。
 児童会プレイルーム委員会主催の『なんでも発表会』は、事前にエントリーした3年生~6年生が出演します。今回、お話の朗読、ダンス、マジック、こま、ピアノ、バイオリン、リコーダー、ボイスパーカッションなど、いろいろな発表をしてくれました。
 1年生のクラス通信によれば、自分のパートナーが出てきた喜び、大好きなこまの時には、身を乗り出して観いっていたなどと書かれていました。「たのしかったぁ!!」と、帰りの教室で話していた人もいたそうです。上級生のすばらしさに触れる機会となったようで嬉しいです。
 発表会には、司会、音楽、照明、誘導、カーテンの開閉など、たくさんの仕事があります。プレイルーム委員の子どもたちはたのしんで、一生懸命にすすめていました。
 職員室に戻り、過去の初等部通信を見ました。そこにあるのでは、2008年度版が一番古いものでした。読むと、「今年も(なんでも発表会が)行われます」と書いてありました。いったいいつ頃から自主的なたのしい発表が行われてきたのか、どんな発表があったのかなど、今度調べてみたいです。

 高学年になると、児童会活動がはじまります。自分たちで学校を運営し、異年齢の集団をつくることを大切にしています。自分たちの思いを、自分たちの手で実現していくなかで、高学年の子どもたちは自信や自尊感情を培います。そして、そこでの異学年との交流が、低中学年の子どもたちのモデルとしての高学年像を示すことにつながります。このような活動を体験して、自分自身が主人公になって社会に参加していくことの根っこを育んでいきます。

風Ⅱ-109 園庭開放

すすんで掃除を。どうもありがとう落ちてきた葉っぱをとることができた寒くたって水と砂あそび(園庭の様子)小学校の先生に繩をまわしてもらって嬉しかったねいいもの・おいしそうなものをつくっています先生の上にのっちゃうぞ。ひっぱるぞ。たのしいなあ

 子どもたちはいっぱい遊んでいるでしょうか? 遊んで、好奇心、満足感や達成感、感動、自分や他者への信頼や安心などを育んでいるでしょうか? 
 子どもたちの育つ環境が変化し、幼児期、児童期に大切な、ゆったりとした時間の中で、心身を使い、人とかかわり、おもいきり遊ぶ経験などが少なくなってきています。桐朋幼稚園では、降園後、園庭開放を行い、子どもたちが少しでものびのびと遊べるようにしたいと考えてきました。
 
 園庭開放に参加してくださっているM先生よりお話を伺いました。
 子どもにとって園庭開放は、「安心できる、自由さがある、お互い知っている仲間がいる、少人数である、指示をされない、人と合わせないでよい」など、いろいろと子どもにとっての意味があることを具体的に教えてくださいました。友だちと遊び、年下(兄弟)と交わり、自分の親だけでなく他の親とも関わるなどの良さも見られるそうです。M先生は、子ども一人ひとりの自由さを大切に見守り、関わっているそうです。
 遊びの質や内容では、M先生が入ることで「遊びが膨らむ(子どもが初めて出あう遊び―落とし穴、ジェスチャー対戦、わらべうたなど、M先生の声かけで遊びが膨らむなど)」そうです。遊びの文化を分かち合い、たのしむことはとても大切なことだと思いました。〈もうじき恒例の小学校「昔あそびの会」があります。〉
 子どもが遊んでいる傍で保護者同士が話したり、子どもと積極的にかかわる姿が見られるそうです。「父が娘に鉄棒の技を見せる」、「小さい子もいて、じっくり砂場で遊びこむ」、「お母さんも走って、とプレイデーの後で一緒にリレーをしていた」ことなど、素敵な場面を話してくれました。保護者の方の「優しい目」を感じられてきたそうです。また、M先生の子どもへの関わり方を見ていろいろと感じられたり、思っていることをM先生に話される方もいるそうです。
 他の児童遊園、遊び場では思い切ってやれないことも、自由にやれる良さがあると教えてくださいました。
 

 

風Ⅱ-108 園舎の改築、りんごの木の会 創立30周年

プレイルームで11月誕生会。先生からのお話プレゼント丸正の皆さん、お世話になり、ありがとうございましたいろいろなところを見せていただきました。地下にも案内していただきました11/24 54年ぶり11月の積雪自然ひろばに雪が積もり、いつもと違う遊びができてとっても嬉しそういっぱい集めて、その上に飛び込むぞ! たのしみ~

園舎の改築
 桐朋幼稚園は、2017年度より4歳26名保育(これまでは40名)にかわります。そして、2018年度より3歳26名を迎え、3年保育となります。
 幸せな子ども時代のための幼稚園として、子ども一人ひとりが現在(いま)を充実させて生きること、その子らしく生きることを大切にしていきます。
 2017年4月に向け、桐朋幼稚園の改築Ⅰ期工事(春休み)を行います。内容は、①現在使用している幼稚園プレイルームを4歳児26名の部屋へ ②現在の幼稚園図書室を遊びや活動で大事な幼稚園プレイルームへ ③現在の教員研究室を子ども図書室へ です。

 桐朋幼稚園は、1955年(昭和30年)よりはじまりました。当時、園舎と校舎は一緒でした。1957年(昭和32年)、現在の短期大学の場所に独立した園舎を建てました。バラのアーチ門、園庭は桜が40本も植えられていたそうです。1969年(昭和44年)、現在の幼稚園園舎と小学校低学年校舎を造りました。それから47年間大切に使ってきました。
 ばら組、ゆり組の皆さん、今使っているプレイルーム、図書室での活動や遊びをたっぷり楽しんでください。4月よりかわるのをたのしみにしていてください。

りんごの木の会 創立30周年
 「子どもたちに明るい未来を」と願い活動されてきた皆さん、おめでとうございます。12月3日(土)、記念の集いでお会いするのを楽しみにしています。
 りんごの木の会発足当時のPTA機関誌「わかぎり」(1986年3月号)を読みました。1971年『私の戦中記』、1972年『私の教育体験記』の2冊(わかぎり編集部発行)の再版を保護者の方が願い、PTAで検討し、「『平和』のために『子どもたちの明るい未来のために』過去から学び、現在を知り、未来へ向けて考えていきたい。母として、父として、人間としてどう生きていけばよいかをともに学び、語り合い、それを本にまとめていきたい」と決まったことなどが書かれていました。その再版委員会の名称が「りんごの木の会」(子どもたちに明るい未来を)でした。
 保護者の方の願いが、「全世界が核戦争の危機に脅かされて、地球の未来が信じられなくなっている時代です。でも自由と平和と希望の『りんごの木』を皆で植え続けたい」でした。現在はどうでしょうか。植え続けなくてはならない世界なのではないでしょうか。
 昨日は、りんごの木の会主催の映画『うまれる』をたくさんの保護者の方と観ることができました。命のすばらしさを感じ、心がふるえました。皆さんの心のふるえを感じました。よりよい未来を築くために、今後も学びあいたいと思います。
 30周年、おめでとうございます。(11.30 初等部通信に掲載。一部加筆修正をしました)