初等部 園長・校長コラム「風」

第63回運動会 [風Ⅱ-137]

みなさんの力で準備が整いました本番前、さいごの練習。みんなであたたかく見守り、励まし合いました保護者のみなさまに支えられて運動会ができました朝、6時。いよいよ本番朝早くから、役員のみなさまにお世話になりました

 10月8日(日)、秋らしい青空の下で、第63回桐朋小学校運動会を開催することができました。
 ご来場のみなさま、運動会にお越しいただき、誠にありがとうございました。
 子どもたちへのあたたかい声援を最後まで送ってくださり、ありがとうございました。
 当日、前日までいっしょに準備をしてくださった保護者のみなさま、ありがとうございました。
 
 桐朋小学校では、子どもたち一人ひとりが運動会をつくりあげる立場に立って、自分らしく、仲間といっしょに活動することを大切にしています。一人ひとりが主人公となり、学校のつくり手となる根っこを育みます。
 開会のことばで、「自分の力を発揮してほしい」、「間違ってもいいから思い切り取り組んでほしい」、「仲間といっしょに今日一日をたのしんでほしい」などと伝えました。4年生、5年生、6年生は、大勢の人の前に立ち、責任をもって仕事をすすめました。予行練習と本番で、たいへんすばらしい姿が見られました。演技や競技では、これまで取り組んできた成果を発揮していました。
 
 初めて運動会を経験した1年生は、「『あらうま』のふりかえりのところをがんばるからみてね」、「『おかしおかし』のターンをみて」、「またころばないようにおうえんして」など、一人ひとり願いをもって取り組みました。練習では、上級生の取り組みをよく見て、「4年生のかいぞくがかっこいい」、「パートナー(5年生)のたいこの音がすごい」など良さをたくさん発見していました。
 前日までに、学級通信に書かれた一人ひとりの思いを読みました。「大玉リレーでは、5年生に大玉を早く渡したいな」、「ぼくはパイレーツの最初、側転がとっても苦手でした。でも練習をやるごとに、少しずつ上手になってきました。本番でうまく側転ができればいいです」(4年生)など。「まだ運動会で一度も勝っていないので、ぜひ勝ちたい」、「勝ち負け関係なく、楽しく踊ったり、大玉をしたりする。お弁当が楽しみ!!」(5年生)など、いろいろな願いが書かれていました。6年生は最後の運動会で、全力で取り組むという気持ちをききました。そうした願いが、本番のすばらしい取り組みからよく伝わりました。 
 みんなでいい運動会をつくることができたと思います。 

毎年、ありがとうございます [風Ⅱ-136]

園田青年会 金城さん園田青年会 元会長の宮里さん5年生の子どもたち

 今年も、5年生の子どもたちがエイサーに取り組んできました。運動会前日、沖縄の園田青年会より、宮里洋一さんと金城大輝さんが来てくださいました。桐朋の民舞を大切に育ててくださった市川直美さんも来てくださいました。
 
 桐朋小学校で、園田エイサーに取り組みはじめたのは1997年です。市川直美さん、古谷一郎さんが園田青年会のみなさんと出会い、エイサーを教えていただき、はじめました。それ以来、毎年、運動会前日に子どもたちといっしょに踊ってもらいます。
 子どもたちは、目の前で、園田青年会の人の踊りやうた、三線を受けとります。心に響いてくるものがたくさんあり、自分たちもやってみようという気持ちで、いっしょに踊ります。そこで子どもたちはぐっと上達していきます。園田青年会のお二人と、全体練習を午前中に行い、午後は、自由練習です。青年会の『にぃにぃ』たちが希望者に教えてくれます。ここでさらに上達します。子どもたちの吸収し、表現しようとする気持ちと力にいつも驚かされます。
 本番でも、いっしょに踊っていただきます。
 桐朋小学校の民舞では、可能な限り、現地の人やものと触れ合う機会をもって、本物を伝えたいと願っています。 
 
 園田青年会の元会長の伊波さんは、「リズムをつかむとか、三線、歌に合わせて太鼓を打つとか、改めて教えると、まばらだった太鼓の音が一つになってくる。それを子どもたちが分かるとまた楽しくなる。太鼓を打つのが楽しい。それを打つときのエイサーの醍醐味がわかる」と言われていました。
 エイサーに取り組みはじめて今年で21年目。伊波さんが会長だったときに「地元で育」んできたエイサーを「外に出」してくださいました。そこには、「不安と期待」があったそうですが、今ではとても良かったと言ってくださいました。
 今年も、園田のみなさん、市川さんに支えられて本番を迎えることができました。

運動会に向けて[風Ⅱ-135]

3,4年生は、大玉をころがします大玉係がチームを誘導します。5年生から大玉を引き継いだ6年生ゴールまでがんばります1、2年生がいっしょに行う玉入れです5年生の全員リレーです

 もうすぐ運動会です。
 [風Ⅱ-134]では、民舞、身体表現についてお伝えしました。今回は、係、対抗競技についてです。

 子どもたちが、自分たちの運動会をつくり出すという意識をもち、主体性、自主性、協働することを育くんでほしいと思います。
 様々な役割を子どもたちと教員で分担、協力します。お互いの良さや感想を交流し、仕事や活動への自信や誇りを持ってほしいと思います。 

 運動会をすすめるために、4~6年生の子どもたちと教員で係を担います。【会場、放送、用具、得点・記録、救護、司会、児童挨拶、指揮、会場整理、玉入れ、大玉リレー、学年対抗競技、応援、掲示、連合旗】係です。
 たとえば、開会式の応援交換では、係の子どもたちが考えた応援を1~6年生のチーム全員で行います。司会進行も子どもたちが行います。大玉リレーの整列、誘導、競技のリードも子どもたちがします。多くの子どもが大勢の人の前に立ち、責任を持った仕事の機会があります。

 各学年、複数学年の対抗競技についてです。フェアプレイ、ノーサイドの精神で対抗競技に向かう姿勢を育んでいきます。
 1年生【おかしおかし】 3人一組でおかしの棒(バトンの代わり)を持ち走ります。ミニハードルをまたぎ、旗の周りを一周して、次の3人組におかしを渡します。
 2年生【デカパンリレー】 2人一組でデカパン(バトンの代わり)をはいて走ります。旗をまわって戻り、次の2人組にデカパンを渡します。ぬぐところ、はくところがなかなか難しいです。
 3年生【大物をねらえ!】 赤白2チームが真ん中にある縄とタイヤをとります。タイヤなしの短縄が1点、タイヤ2点、金・銀3点の得点なので、誰がどれをとるかいろいろと作戦をたてています。2回戦の合計得点で勝敗を決めます。
 4年生【かけっこ綱引き】 最初から綱を引くチームとグランドを走って綱を引くチームが協力して綱引きをします。走る、綱を引くチームの力配分を作戦で考えています。
 5年生【全員リレー】 4チームでリレーをします。走順を子どもたちが工夫し、トップスピードからトップスピードへのスムーズなバトンパンを目指し、練習を重ねています。
 6年生【旗とり】 1チームをアタッカー、バリア、ベース、ガードに分かれ、相手チームの旗をとり、自分たちチームの旗を守ります。クラスみんなで団結して作戦をたて、安全で楽しい旗取りをします。
 1、2年生【玉入れ】 1、2年生の合同チームで協力して玉をたくさん入れます。
 3、4、5、6年生【大玉リレー】 3年~6年までの異学年集団で、力を合わせ、心を一つにしながら楽しみます。スタートは3年生です。片道、大玉をころがし、4年生に渡します。4年生は旗をまわって往復し、5年生に渡します。5年生はふろしきに大玉を入れて走ります。最後は6年生へ。6年生は5年生からの大玉を4人でかつぎ、ゴールをします。

民舞・身体表現[風Ⅱ-134]

1年生の荒馬です。2年生から教えてもらいました3年生、4年生、5年生、6年生による大玉リレー1年生は、初めての運動会をむかえます6年生は、小学校最後の運動会です

 10月8日の運動会に向けて、取り組みをすすめています。今回は、各学年の民舞・身体表現についてご紹介します。
【3年 桐朋みかぐら】
 岩手県奥州市衣川区大森に伝わる神楽舞です。それを子どもたちに合った動きやリズムに変えて構成しました。
 左手には、自分で選んだ色の扇、右手には、自分たちで作った錫杖を持ち、太鼓のリズムに乗って元気よく踊ります。
 扇返しや足の動きなど、難しいところがたくさんありますが、みんなで一生懸命に練習をしています。
【2年 花笠おどり】
 スゲ笠に赤い花飾りをつけた「花笠」を手にして踊る山形県の踊りです。元々は、土を掘ったり運んだりする作業の踊りと言われています。
 「ヤッショウ マカショウ 『トウホウショウ』」の元気なかけ声で踊ります。
 踊りとともに、歌も練習し、笠の飾りつけも自分たちでやりました。
【4年 パイレーツオブ桐朋 Ⅶ】
 目指せ、夢と希望のあふれる宝島へ! エネルギッシュな桐朋パイレーツたちが海賊船での戦いをくりひろげながら、宝島を目指します。
 海賊をモチーフにした器械運動的な動きを取り入れ、元気いっぱい身体表現を行います。
 個人で習得した技能を、集団演技で発揮することにより、仲間と共に表現する楽しさを体験します。
【1年 荒馬】
 元気いっぱい跳ねる馬、それが荒馬です。保存会の大太鼓の音に合わせて、元気な馬がグランドいっぱいに駆けまわります。
 踊りは、青森県今別町のねぶたのお祭りで踊られる、荒馬を基にしています。
 跳んだり、跳ねたりしながら、「ラッセラー ラッセラー」「ラッセ、ラッセ、ラッセラー」元気いっぱい声を出し、表現します。
【5年 エイサー】
 沖縄本島や近隣の島々で旧盆に踊る盆踊りです。
 三線・太鼓・踊り子が行列を作り、村々の通りや各家庭をまわり、先祖の霊を供養し、村々を清めます。
 沖縄市園田青年会のエイサー『南ダキ節』『仲順流り』『海ヤカラ節』『いちゅび小節』『固み節』『唐船ドーイ』を踊ります。
 全身を思い切り使い、リズムに合わせて、エイサーの音と動きを楽しみます。
【6年 中野七頭舞】
 岩手県岩泉町、中野、小本で、約百八十年も前から踊られています。七つの道具を使い、七種類の踊りを踊ります。
 荒地を開拓し、けものを追い払い、畑を耕し、豊作を祝い、仕事の苦労をいやします。
 大地に向かい太鼓等のリズムに合わせ、全身を使って思い切り体を動かします。

 民俗舞踊は、日本各地で地域の祭りや盆踊り、神楽の奉納などで踊り継がれてきたものです。地域の中で世代を超えて人と人を繋ぐ大切な共有財産、かけがえのない文化です。そうした文化に触れ、学びたいと思います。
 踊りは、日常生活の「労働」の中で培われてきた身体の使い方が元になっています。そのような動きは、現代において、身体を耕したり、しなやかな身体をつくっていくために経験したい動きです。

4歳児ばら組の生活 [風Ⅱ-133]

写真はゆり組合宿の様子です。
みんなでつくったカレーライスをおいしくいただきました夜のおたのしみ布団の用意も自分たちでします新しくなったテラスで歯ブラシカレーの野菜を切ります園庭でカレーをつくりましたみんなで歌うとたのしいね園庭のレモンが育っていますテラスで昼ごはんしー。かくれてれいます扉の向こうには‥

 9月9日の園説明会に参加をしてくださった皆さん、ありがとうございました。
 会の中で「4歳児ばら組の生活」をお伝えしました。本コラムでご紹介いたします。

 4月に26人の子どもたちが入園しました。
 新たな場所や生活、見知らぬ人々の中で、嬉しさを感じる子どももいれば、緊張や不安を感じて親御さんと離れられなかったり、思わず泣き出してしまった子どももいました。
 子どもたちの様々な気持ちを受け止めながら、少しずつ桐朋幼稚園を好きになってほしいと考え、4月いっぱいは、保育者だけでなく、5歳児年長児の子どもたちが、新入園児の様々な事に付き添ってくれました。「タオルはここにかけるんだよ」「トイレはここ」「この部屋は絵本がいっぱいあるんだ」と、生活に必要な事を沢山教えてくれたり、「何して遊ぶ?」「畑には虫がいっぱいだよ」「ここに水をいれると川になるの、たのしいよ」等、一緒になって遊んでくれました。そんな年長児を支えに、幼稚園での遊びや生活に対して少しずつ前向きな気持ちになっていったように思います。
 そして、5月からは、年長児との生活に一区切りつけ、自分たちで着替えをしたり、遊びを楽しむという生活に移行しました。

 1学期は、園生活1日の大半が遊びという生活を送ってきました。
 全身泥んこの遊びや、畑でのかわいい草花摘みや虫探し等、「自分のやりたいことを見つけ、やってみる」経験を大事にしてきました。
 遊びの中には「何をして遊ぼうか」「どこで遊ぼうか」「何を使おうか」「誰と遊ぼうか」と、選ぶ、思考する、決める、行動する等、心身の様々な動きがあります。自分の思いや考えが実現した時、自然と子どもたちから「あー楽しかった」「明日も続きやりたい」等の言葉が聞かれます。こういった満足感や充実感が、主体的な存在としての自覚、認識を促すのではないかと考えます。
 思いや願いが満たされると、子どもたちはさらに様々な事に興味関心を広げ始めました。そんな育ちが見受けられた遊びを一つお話ししたいと思います。 
 幼稚園には夏みかんの木があり、6月には沢山の実がなりました。まず5歳児ゆり組の数人の子どもたちが見つけ、台を積み重ねて乗ったり、棒を繋げて何とか枝を揺すったり、四苦八苦しながら、何とか夏みかんを手にしていました。
 その様子を見ていた4歳児ばら組の子どもたち。「わたしもたべたーい」「ちょうだい」等と交渉し、その美味しさを味わわせてもらいました。
 ゆり組が夏みかん取りを楽しんでいる間はそのおこぼれをもらえていたのですが、そのブームが去り、ゆり組が別の遊びを楽しむようになると、4歳児は時折落ちてくる夏みかんを頂くしかできなくなりました。落ちてきた夏みかんはもう食べられない状態のものも…
 それでも、またあの美味しい夏みかんを食べたい…そんな4歳児女の子2人がいました。落ちてこないなら、木の上になっている夏みかんを何とか取るしかないと考えました。
 まずは保育者に「とって」とお願いに来ます。とってあげる事は簡単ですが、もう少し自分たちで何とか考えてほしいと思い、「うーん、どうしたらとれるかね」と一緒に考えるようにしました。すると「ほうきはどうかな?」と考え、ほうきを持ってきて夏みかんに向けて振りかざしてみました。が…残念ながら届きません。2つのほうきをくっつけて長くしようとしました、これまた上手くいきません。
 うまくいかないけれど何とか取りたい。この気持ちをどうにか支えて上げたいと思い、地面からではなかなか届かない事を伝えました。すると「木にのれれば…」と新たな視点が出てきます。そこで「ロープはあるよ」と伝え、保育者が木にロープをひっかけ、子どもたちが引っ張り、大木の枝にロープを吊るしました。
さあ、いざ挑戦です!まずは女の子2人が順番に登ってみます。しかし、ぶら下がる事は出来ても、上にのぼっていくことはできません。
 すると、それを見ていた5歳児の男の子、「おれがやってみる」とロープを手に取りました。さすが5歳児、なんとかロープの中間まで登っていきましたが、そこから先ロープがゆらゆらと揺れ、上に挙がっていく事が出来ません。すると、「がんばれー」とその周りにいた5歳児の子ども達から応援の声が挙がります。先ほどの4歳児の女の子たちも、その応援の様子を見て、「がんばれ」と声をかけていました。
 その後も多くの子が果敢に挑戦しましたが、上まで上がっていく事は出来ず。それでも何度も繰り返し、ロープに上っていこうとしていました。
その様子を神様は見ていたのでしょうか。突然、強い風が吹き、夏みかんがひとつ、ボトッと落ちてきました。子どもたちは大喜びで夏みかんを頂きました。

 この遊びから、
・友だちと一緒に目的を共有する事
・自分たちで何とかしようと思い、身体が動く事
・一度だめでも、繰り返しやってみようとする事
・一緒の目的を持つ他者を、応援しようとする事
といった様々な面の育ちがあるように思いました。
 そして2学期になった今、「あの子たちの遊び、私もやってみたい」「あの子と遊びたい」という気持ちが芽生え始めている様子が見受けられます。先ほどの「夏みかん採り」のような遊びの積み重ねが、周りの子どもとの関わりを求める気持ちの育ちに繋がっているのではないかと、考えます。
 このようにじっくりと遊びこむ中で、
・子ども自らが人と関わろうとする気持ちを育むこと
・関わり合う中で、喜びや悲しみ等様々な気持ちを味わうこと
・共に寄り合いながら育ち合っていくこと
 を大事にしていきたいと考えます。

 自分の思い中に、友だちへの思いが芽生え始めた2学期。どのように関わり合っていくのか楽しみです。以上4歳児ばら組の様子です。ありがとうございました。(4歳児担当 能登比呂志さん、平山直子さんより)

説明会へのご参加、ありがとうございました[風Ⅱ-132]

9月12日の夕日は、たいへんきれいでした大きな虹も見ることができました休み時間も、川をきれいにしてくれています。いつもありがとう!幼稚園では、もうすぐ合宿を行いますみんなで話し合って、必要なものを買いに行きますお店では、子どもたちを見守ってくださり、ありがとうございます仙川商店街入り口交差点に、学園の掲示板を設置しました2年生の時から大切に育てた夏みかんを自然ひろばに植えました教室に蝶が入ってきました。何という名前か図書室で調べるそうです

 9日、学校説明会を行いました。参加をしてくださった皆さん、ありがとうございました。
 説明会で、1年生担任の久保田勇気さんがお話ししたことをご紹介いたします。
 学級の「プールのタオル事件」をもとに、「大人がすぐに解決策を述べたり、引き留めたりせず、知恵を出し合い、思うままにやらせてみること。失敗も含めて、自分(たち)でできたとか、失敗したなどの気持ちを大事にしたいと思っています。こうした学びは、一人だけ学習するのでは得られない学びであると思っています。なのでこの時間を大事にしたいし、それを大事にできるところこそ、学校のよさだと思っています」ということを述べています。

 今日は、1年生の様子を具体的な場面をお伝えしたいと思います。
 途中クイズもありますので、一緒に考えてもらえるとうれしいです。
 では、今日は「プールのタオルがなくなっちゃった。」から見えた子どもたちの成長と1年生ならではの面白さ、自分の気持ちを伝えられる教室を目指していることを話したいと思います。
 楽しみにしていた学校生活。はじめましての24人。一人ひとり自分の机、いすがある。どんなことをするのかな、友だちできるかな、うきうきどきどきの子どもたち。その中で少しずつできることやわかることが増えていきます。
 1学期も終わりに近づいていた頃、お弁当の時間が終わって、帰りの会の前。この日は2時間目にプールがありました。
 ある子が、「頭に巻いていたタオルがどっか行っちゃった。」と言ってきました。(とんがり帽子のような髪の毛の水分を吸収する帽子型のタオル)
 そういえば、お弁当を食べ終わった人は自分の席で本を読んだり、おしゃべりしたり、お絵かきしたりして、静かに過ごすことにしているのですが、ロッカーや廊下に何度か行って、なにげなく探し物をしている様子がありました。
 見つからなかったので相談に来たので、「帰りの会でみんなに聞いてみたら?」と提案し、帰りの会で「頭に巻いていたタオルがなくなっちゃったんだけど、誰か知らない?」と発表しました。
 1学期も後半になるとそれぞれの個性や友だちのことも少しずつわかってきて、人間関係などが徐々に作られてきています。発表した子がよく落とし物をするタイプではなかったので、特に真剣に聞いていました。
 子どもたちは、探す気持ち満々でいろいろ質問します。
「色は何色ですか?」➡「水色です」
「いつなくなったの?」➡「お弁当を食べ終わって、片づけたらなかった。」
「探したの?」➡「ロッカーとか廊下とか探した」
などなど、なんとなくやり取りが終わると、帰りの会は自然と一時中断。クラスが動き出しました。一人ひとりが名探偵になったかのようにいろいろな声がします。
「同じ班の人がまちがっているんじゃない?」/「同じタオルの帽子の人いる~?みんなのプールバックみていい?」
「もしかして、廊下から1階に落ちちゃったのかもしれない!」/「テラスから幼稚園に落ちたかも!?幼稚園に行ってきます。」
「落とし物コーナーに行ってみよう!」/「職員室だ!」
「今日プールだったから、プールじゃない?」/「じゃあ、体育館のほうに行ってみよう!」
ほかにもいろいろ声がしました。
・・・しばらく黙って見守って、一緒に探しました。24人中3分の2近くの子が教室外だと推理して飛び出していきました。数名の子は教室の中を探しています。
「(ないということがわかるから)いいけどさ、お弁当の時にあったのにプールの所ってないでしょ~。」
「そのタオルお家じゃない?」「いや、かぶってたじゃん!」
という子もいます。しばらくすると、何人か戻ってきて
「なかった!」/「みつからない!」
「ところで…何を探すんだっけ?」/「うわばきがありました!」
「タオルがありました!」・・・おしい!
 数分後、なんとなく一通り探し終えて教室に戻ってきたり、プールバックも一通り見終わり、みんな困っていたころ、ある子が発見してくれました!
「あった!あった!」/「え~どこにあったの?」
「探している人呼んでくる~!」
さて、どこにあったと思いますか?

 まさかでした。これは、さすがに担任も大笑いしたのですが、それ以上に大笑いしていたのがクラスメイトでした。それだけ真剣にさがしたわけです。
 その後、帰りの会を無事再開し、終了すると「プールはありえないでしょ。」とか、「お弁当の時だから教室に決まっているよね。」「あって、よかったね。」
みたいな反省会をしていました。そのうち2名は教室外の職員室に探しに行っていたのですが・・・。ちゃんと振り返っているのです。
 このちょっとした出来事には、
・困った人の話をクラスで受け止め、話を聞き取ること
・心配なことや困ったことをクラスに言えるような雰囲気
・見つかった時に笑い飛ばせる雰囲気
 1学期に学んだことを思い切り活用した子どもたちの成長と関係性が垣間見えました。ちょっぴり笑ってしまう部分もありますが、こんな一生懸命な姿を大事にしたいと思っています。
 大人がすぐに解決策を述べたり、引き留めたりせず、知恵を出し合い、思うままにやらせてみること。失敗も含めて、自分(たち)でできたとか、失敗したなどの気持ちを大事にしたいと思っています。こうした学びは、一人だけ学習するのでは得られない学びであると思っています。なのでこの時間を大事にしたいし、それを大事にできるところこそ、学校のよさだと思っています。
 育ちを深めるポイントは教室にちりばめられています。子どもたちも保護者も教員もともに育てる、一緒に育つ気持ちをもってやっていけたらいいなと思っています。ありがとうございました。

新学期がはじまりました[風Ⅱ-131]

いいのが できた~
いい場所が見つかった!いつも見守りをありがとうございます書画カメラを使って、一人ひとりの夏をパチリ

 2学期は、幼稚園で子どもたちといっぱい遊びたいと思います。
 昨日は、子どもたちから新しくなったテラスで話を聴いたり、地上に出てきた根っこを子どもたちの応援をたくさん受けながらノコギリで切ったり、雲梯でなかなか勇気が出てこない子どもの横にいて励ましたりしました。たのしい時間でした。
 テラスにいると、「えんぴつ」のプレゼントをもらったり、「えんちょう せんせい また いっぱい おはなししたいな 〇〇〇より」という手紙をいただきました。どうもありがとう。

 9月1日の始業式では、2つの詩を紹介しながら願いを話しました。 
  さかあがりができたよ   長野県1年 小林かえ
せんせい あのね。
てつぼうで さかあがりが できたんだよ。
うまれて はじめて できたんだよ。
さかあがりを やったときに / いい きぶんだったよ。
からだも すうっとしたよ。
二しゅうかん / れんしゅうをしたり、
ちあきちゃんと みずきちゃんに / おしりを あげてもらったり、
かべをつかったから できたんだよ。
せんせいが、/ 「もうできるよ。」/ っていってくれて / うれしかったよ。

 「はじめて できたんだよ」「からだも すうっとしたよ」など、生まれてはじめてできた喜びが表現されている詩です。この作者と同じで、皆さん、一人ひとりにたくさんの可能性があります。先生たちは一人ひとりを励ましていきます。

  せんせい ごめん    青森1年 はたい たかあき
せんせい ごめんね
きょうも / しゅくだいをわすれてきたよ
せんせいは/ 「うちでやってきなさい。」/っていうけど
がっこうでのこって / べんきょうすると
なんだか べんきょうが/ よくわかって
あたまがよくなるかんじ/ するんだ
だから あしたも/ たぶん わすれると おもうよ。
せんせい。/ ごめん。
 
 作者のたかあき君がすごいなと思いました。先生のことばに納得せず、自分の気持ちを表しています。皆さんも、自分の気持ちや考え、そして友だちの気持ちや考えを大切にしていきましょう。
(2つの詩は、『子どもたちに心地よさ感覚の時空を』村山士郎編、本の泉社より引用させていただきました。)

 最後に、自治ガイダンスで話してきたことを改めて伝えました。
「皆さんは、桐朋小学校をどんな学校にしたいですか? 桐朋小学校でどんなことをやってみたいですか? 頭の中に思いうかべてみてください。みんなの夢を語り合い、聞き合う。力を合わせて行動する。5、6年生を中心に、桐朋小学校のみんなで「自分たちの学校」を作っていくのです。ワクワクしませんか? どんな活動をしていくのか、決めるのはみなさんです。先生たちも一緒に考え、行動していく仲間です。」
 ぜひ2学期も、みんなの声で学級、学校をつくっていきたいと思います。

新学期もどうぞよろしくお願いします[風Ⅱ130]

たいへんお世話になり、ありがとうございました皆さん、ありがとうございました新しくなったテラスを小学生が見に来て、「広くていいね」と言っていました全教室にモニターと書画カメラを設置しました。研修の様子から太鼓を新しくしました

■幼稚園改修工事
 7月18日より、幼稚園改修工事を行ってきました。今夏は雨の日がたいへん多く、9月1日の始業に間に合わせるように、働く人たちは、雨の日も、お盆の時期も休まずに工事をすすめてくださいました。
 今回の工事は、主に4箇所でした。
[3歳児『たんぽぽ組』の部屋]
 園庭に一番近い部屋です。自然を感じながら、13名で生活をはじめます。出入口を2箇所にしました。新しくした部屋では、居たい場所がある、身に着けたい物、持っていたい物がある、やってみたいと思えるたのしい空間づくりをしていきます。2018年度より通園路を変更します。一番はじめに通る部屋となり、3歳児には、友だちや先生の顔、姿を見ることができます。ほっとすることでしょう。
[3メートルのテラスデッキスペースと4メートルの屋根]
ゆったり遊べる、知り合う、繋がる、響く関係が生まれます。外気に触れ、五感を耕せます。ほっとできる、遊びの拠点となります。園全体を行き来でき、異年齢、全園児が交流できます。これまでなかった子どもたちと先生のスペースです。
[通園路]
 園庭側を玄関にすることで、子どもの様子が見える場所での送り迎えは、保護者の方にも安心していただけると思います。ベビーカーも通りやすい通路にしました。
[外の水道、トイレ内シャワースペース]
 いっぱい遊び、活動できるように、水まわりを充実させました。

■4年生八ヶ岳合宿
 7月18日より、4年生が初めての八ヶ岳3泊4日合宿を行いました。「仲間とともに生活をつくりながら、思いっきり八ヶ岳のフィールドで楽しんでほしい」が先生たちの願い。子どもたちは、①けんかをしないで、男女仲良くしよう ②みんなで協力して、助け合おう ③自然の中で、たくさん遊ぼう ④時間を守って、人の話はしっかり聞こうという目標をたて準備をすすめました。
 初夏の八ヶ岳高原寮で、子どもたちは、キイチゴ、サンショウの実、クワガタ、テンの子どもなど、たくさんの草花や昆虫、動物たちを目にすることができました。朝の散歩やナイトハイクに行き、目新しい木の実を味わい、香りを嗅ぎ、大興奮! 蛍や満天の星とも出あうことができました。2日連続で行った川遊びには全員が夢中でした。「おいしい水を家族にもわけたい!」と大事そうに持って帰る姿も見られました。
 子どもたちは、友だちに声掛けしながらよく取り組みました。係活動では、自分たちの仕事に責任を持って協力していました。食事係も率先して準備や片付けをしていました。
 クラス会議の1日のふりかえり発表で、「○○がこんなことをしてくれて嬉しかった」「○○とこんなことをしたのが楽しかった」など、『友だちのキラリポイント』を発表していました。
 このように過ごして、自分たちの目標を実現させていきました。
 2学期からの学校生活も、子どもたち同士で声をかけあいながら、主体的に行動できることを大事にしていきたいです。(4年生の先生たちの「活動報告」より。写真は「7/25行事だより」をご覧ください)

福島 さくら保育園の見学 [風Ⅱ129]

安彦先生、斎藤先生、ありがとうございました園庭。時計の下に空間線量計があります園から外に向けて赤い線が、散歩コースになりました

 7月27日(木)、福島県渡利にある さくら保育園を見学させていただきました。この園とは、2011年の東日本大震災以降に関わりを持たせていただいています。子どもたちの様子、保育の様子を教えていただき、私たちにできることは何かないかと取り組んでいます。
 はじめは、桐朋幼稚園の宮原洋一元園長先生より、「(震災後)子どもたちが外遊びをできない、室内での遊びを充実させたい」旨のお話があり、桐朋幼稚園の保護者、保育者も何かできることはないかと考え、室内で遊べる道具『あやとり・お手玉づくり』を有志で取り組みました。(2011年11月『風49 さくら保育園への手紙』、12月『風51 懸命に子どもを守り育てようと』参照)
 
 7月28日より福島市で研究会があり、その前日にさくら保育園の見学をお願いしました。福島駅よりタクシーで約30分。阿武隈川を渡り、浪江方面と道路標示がある先の山側に向かうところに園がありました。周囲には、弁天山、殿上山、花見山などがあって自然に囲まれていました。さくら保育園は、「子どもの豊かな発達を保障」し、「生活を大事にする」「保護者と共に行う」「科学的なうらづけのある」保育に取り組んでいます。園舎は、「緑豊かな環境と広々とした、子どもたち目線で作られた」ものです。
 安彦孝園長先生が迎えてくださり、震災、原発事故の困難さとその取り組みを教えていただきました。子どもたちの安全を大切にして、さらにもっと生活、活動をひろげていけるように試行錯誤され、努力を積み重ねられていることが伝わりました。その後、園舎見学で0歳から5歳の子どもたちの生活を見させていただきました。中庭にある広いテラスでは、小さい年齢の子どもたちが水遊びをしたあとでした。この中庭も放射能で汚染され、洗浄したそうです。園庭にあるプールは、5歳の子どもたちが気持ち良さそうに泳いでいました。その奥には、空間線量計がありました。線量は、0.14μ㏜~0.12μ㏜の間の数字を示していました。「0.1μ㏜を切ることはない」と言われました。
 斎藤元園長先生にもお会いすることができました。目の前にある木に放射能がたまり、柵の向こう側の除染が進まないことなども言われていました。園の前にあった畑が、ソーラーパネルにかわったそうです。職員室に戻り、園周辺の散歩マップの改訂版を見せていただきました。保育者が計測し、保護者と相談しながら散歩コースをひろげている取り組みをされていました。

 斎藤元園長先生らがまとめられた『福島の保育 第14集 震災・原発事故から5年 福島の子どもたち』(2017年5月 福島県保育連絡会)をいただきました。そこに斎藤先生が書かれていた文があります。
「この5年半、保育現場はどうだったのか。日々、子どもたちは成長しています。自然と深く関わりながらここ豊かに育ってほしいと願っている保育園ですが、この原発事故で失ったのは、まさにこの自然でした。森林除染は、いまだに土を削ることはなく、草木、枯れ葉を片付けるのみ。なかなか線量は下がりません。それでも、職員のみんなで線量計片手に散歩コースを見つけ、広げてきました。散歩をしたことのない職員もいました。それでは散歩コースも途切れてしまうと、子どもたちの昼寝の時間に「散歩コースの研修」をしました。田んぼのあぜ道でも行けそうな所が見つかりました。4年過ぎてようやく道路の側溝の除染がされました。それにより今まで遠回りしていたコースも改善されたところもあります。子どもたちと神社でのきもだめしができるようになったり、隣の山のてっぺんにも登りました。震災後雨樋でしていた流しそうめんも竹でできるようになりました」
 また、この冊子のまとめには、次のように書かれていました。
「原発事故は、元気いっぱいに、豊かな自然とふれあって遊ぶのが当たり前だった『福島らしい子ども時代』を根こそぎ奪いました。歩き始めた子どものために買った靴が、一度も履かずにサイズアウトした話を聞きました。1歳から2歳にかけて、子どもはよちよち歩きから、自分の行きたいところへ自由に、しっかりと歩く力を身につけていきます。その中で、運動能力だけでなく、自立心や周囲への興味関心も同時に育ちます。原発事故は、その子のその大切な『1歳らしい生活』を根こそぎ(!!!)奪ったのです。このことは決して忘れてはならないことです」
「保育施設では徐々に除染がなされ、施設内に限れば、3年間でほぼ完了しました。もちろんまだ、施設周辺の除染はなされていないところも多く、とくに散歩に最適な場所や自然と触れ合う遊びなどには多くの制限が設けられています」
「「外遊びの禁止・制限」と一口に言いますが、子どもにとっても保育者にとっても、それは苦しいことです。外で遊んではいけないこと、砂や草花やダンゴムシに触ってはいけないことを納得させなくてはなりません。それが大変だった、つらかったと皆さん言います」
「原発事故からの6年間とは、子どもにとって保育にとって何だったのかという問いに対する一つの答えを書き記しておきたいと思います。もちろん、放射能の影響は長期間にも及ぶものですから答えを出すのは時期尚早です。現時点で、私たちの調査から浮かび上がってきた限りでの結論ということです。その結論とは、子どもたちにとって楽しく、刺激的で、そこからさまざまなアイディアが生まれ友だち関係が発展していくような、生き生きとした経験が全体として縮んでしまったということです」
 
 「『福島らしい子ども時代』を根こそぎ奪いました」ということを現地で聴いて心に強く響いてきます。決して忘れてはならないとおもいます。(8月1日)

風Ⅱ-128 もうすぐ夏休み

テラスにみんなで集まりました集いの最後、みんなですいかを食べました長い間、ともに生活してきたあんずの木ともお別れしなくてはなりませんなつみかんをとりたい! 1年生が登り竹へ(下には幼稚園の子どもたち)小学生の畑の作物が育つのを毎日たのしみにして見にいく園児がいます

「さようなら、ありがとう、テラス」「3歳児のクラス名は『たんぽぽ』へ」
 昨日、桐朋幼稚園では、「さようなら、ありがとう、テラス」、「3歳児のクラス名『たんぽぽ』を発表」の集いをしました。毎日、テラスでは、ごっこ遊び、大繩、缶ぽっくり、木工作、飼育など、あそびや活動を行ってきました。その大切な場とわかれることになるためです。
 桐朋幼稚園は、2018年度より3年3歳保育をはじめます。この夏、全部のテラス、通園路、外水道、トイレ、3歳児「たんぽぽ」(1組、2組)の部屋を工事します。2018年3~4月には、5歳児「ゆり」の部屋を工事します。2学期、幼稚園がどのようにかわっているのか、たのしみにきてください。
 これからも、その子その子が成長していける時間、場所、かかわりをひろげ、『幸せな子ども時代』を皆さんとつくっていきたいと思います。
 
自分たちで学校を運営し、異年齢の集団をつくるすばらしい経験
 先日、桐朋小学校では、「ファイヤーフェスティバル」を行いました。低中学年の人たちが楽しみにしていた全校児童のための企画でした。
 桐朋小学校では、自分たちの願いを自分たちの手で(大人の手も借りて)実現していくことを大切にしています。
 取り組む中で、高学年の子どもたちは自信や自尊感情を育んでほしいと思います。異学年との交流が、低中学年の人たちにモデルとしての高学年像を示すことに繋がると思います。
 こうした活動は、将来、自分自身が主人公になって社会に参加していくことの、根っこを育むものです。