初等部 園長・校長コラム「風」

福島 さくら保育園の見学 [風Ⅱ129]

安彦先生、斎藤先生、ありがとうございました園庭。時計の下に空間線量計があります園から外に向けて赤い線が、散歩コースになりました

 7月27日(木)、福島県渡利にある さくら保育園を見学させていただきました。この園とは、2011年の東日本大震災以降に関わりを持たせていただいています。子どもたちの様子、保育の様子を教えていただき、私たちにできることは何かないかと取り組んでいます。
 はじめは、桐朋幼稚園の宮原洋一元園長先生より、「(震災後)子どもたちが外遊びをできない、室内での遊びを充実させたい」旨のお話があり、桐朋幼稚園の保護者、保育者も何かできることはないかと考え、室内で遊べる道具『あやとり・お手玉づくり』を有志で取り組みました。(2011年11月『風49 さくら保育園への手紙』、12月『風51 懸命に子どもを守り育てようと』参照)
 
 7月28日より福島市で研究会があり、その前日にさくら保育園の見学をお願いしました。福島駅よりタクシーで約30分。阿武隈川を渡り、浪江方面と道路標示がある先の山側に向かうところに園がありました。周囲には、弁天山、殿上山、花見山などがあって自然に囲まれていました。さくら保育園は、「子どもの豊かな発達を保障」し、「生活を大事にする」「保護者と共に行う」「科学的なうらづけのある」保育に取り組んでいます。園舎は、「緑豊かな環境と広々とした、子どもたち目線で作られた」ものです。
 安彦孝園長先生が迎えてくださり、震災、原発事故の困難さとその取り組みを教えていただきました。子どもたちの安全を大切にして、さらにもっと生活、活動をひろげていけるように試行錯誤され、努力を積み重ねられていることが伝わりました。その後、園舎見学で0歳から5歳の子どもたちの生活を見させていただきました。中庭にある広いテラスでは、小さい年齢の子どもたちが水遊びをしたあとでした。この中庭も放射能で汚染され、洗浄したそうです。園庭にあるプールは、5歳の子どもたちが気持ち良さそうに泳いでいました。その奥には、空間線量計がありました。線量は、0.14μ㏜~0.12μ㏜の間の数字を示していました。「0.1μ㏜を切ることはない」と言われました。
 斎藤元園長先生にもお会いすることができました。目の前にある木に放射能がたまり、柵の向こう側の除染が進まないことなども言われていました。園の前にあった畑が、ソーラーパネルにかわったそうです。職員室に戻り、園周辺の散歩マップの改訂版を見せていただきました。保育者が計測し、保護者と相談しながら散歩コースをひろげている取り組みをされていました。

 斎藤元園長先生らがまとめられた『福島の保育 第14集 震災・原発事故から5年 福島の子どもたち』(2017年5月 福島県保育連絡会)をいただきました。そこに斎藤先生が書かれていた文があります。
「この5年半、保育現場はどうだったのか。日々、子どもたちは成長しています。自然と深く関わりながらここ豊かに育ってほしいと願っている保育園ですが、この原発事故で失ったのは、まさにこの自然でした。森林除染は、いまだに土を削ることはなく、草木、枯れ葉を片付けるのみ。なかなか線量は下がりません。それでも、職員のみんなで線量計片手に散歩コースを見つけ、広げてきました。散歩をしたことのない職員もいました。それでは散歩コースも途切れてしまうと、子どもたちの昼寝の時間に「散歩コースの研修」をしました。田んぼのあぜ道でも行けそうな所が見つかりました。4年過ぎてようやく道路の側溝の除染がされました。それにより今まで遠回りしていたコースも改善されたところもあります。子どもたちと神社でのきもだめしができるようになったり、隣の山のてっぺんにも登りました。震災後雨樋でしていた流しそうめんも竹でできるようになりました」
 また、この冊子のまとめには、次のように書かれていました。
「原発事故は、元気いっぱいに、豊かな自然とふれあって遊ぶのが当たり前だった『福島らしい子ども時代』を根こそぎ奪いました。歩き始めた子どものために買った靴が、一度も履かずにサイズアウトした話を聞きました。1歳から2歳にかけて、子どもはよちよち歩きから、自分の行きたいところへ自由に、しっかりと歩く力を身につけていきます。その中で、運動能力だけでなく、自立心や周囲への興味関心も同時に育ちます。原発事故は、その子のその大切な『1歳らしい生活』を根こそぎ(!!!)奪ったのです。このことは決して忘れてはならないことです」
「保育施設では徐々に除染がなされ、施設内に限れば、3年間でほぼ完了しました。もちろんまだ、施設周辺の除染はなされていないところも多く、とくに散歩に最適な場所や自然と触れ合う遊びなどには多くの制限が設けられています」
「「外遊びの禁止・制限」と一口に言いますが、子どもにとっても保育者にとっても、それは苦しいことです。外で遊んではいけないこと、砂や草花やダンゴムシに触ってはいけないことを納得させなくてはなりません。それが大変だった、つらかったと皆さん言います」
「原発事故からの6年間とは、子どもにとって保育にとって何だったのかという問いに対する一つの答えを書き記しておきたいと思います。もちろん、放射能の影響は長期間にも及ぶものですから答えを出すのは時期尚早です。現時点で、私たちの調査から浮かび上がってきた限りでの結論ということです。その結論とは、子どもたちにとって楽しく、刺激的で、そこからさまざまなアイディアが生まれ友だち関係が発展していくような、生き生きとした経験が全体として縮んでしまったということです」
 
 「『福島らしい子ども時代』を根こそぎ奪いました」ということを現地で聴いて心に強く響いてきます。決して忘れてはならないとおもいます。(8月1日)

風Ⅱ-128 もうすぐ夏休み

テラスにみんなで集まりました集いの最後、みんなですいかを食べました長い間、ともに生活してきたあんずの木ともお別れしなくてはなりませんなつみかんをとりたい! 1年生が登り竹へ(下には幼稚園の子どもたち)小学生の畑の作物が育つのを毎日たのしみにして見にいく園児がいます

「さようなら、ありがとう、テラス」「3歳児のクラス名は『たんぽぽ』へ」
 昨日、桐朋幼稚園では、「さようなら、ありがとう、テラス」、「3歳児のクラス名『たんぽぽ』を発表」の集いをしました。毎日、テラスでは、ごっこ遊び、大繩、缶ぽっくり、木工作、飼育など、あそびや活動を行ってきました。その大切な場とわかれることになるためです。
 桐朋幼稚園は、2018年度より3年3歳保育をはじめます。この夏、全部のテラス、通園路、外水道、トイレ、3歳児「たんぽぽ」(1組、2組)の部屋を工事します。2018年3~4月には、5歳児「ゆり」の部屋を工事します。2学期、幼稚園がどのようにかわっているのか、たのしみにきてください。
 これからも、その子その子が成長していける時間、場所、かかわりをひろげ、『幸せな子ども時代』を皆さんとつくっていきたいと思います。
 
自分たちで学校を運営し、異年齢の集団をつくるすばらしい経験
 先日、桐朋小学校では、「ファイヤーフェスティバル」を行いました。低中学年の人たちが楽しみにしていた全校児童のための企画でした。
 桐朋小学校では、自分たちの願いを自分たちの手で(大人の手も借りて)実現していくことを大切にしています。
 取り組む中で、高学年の子どもたちは自信や自尊感情を育んでほしいと思います。異学年との交流が、低中学年の人たちにモデルとしての高学年像を示すことに繋がると思います。
 こうした活動は、将来、自分自身が主人公になって社会に参加していくことの、根っこを育むものです。

風Ⅱ-127   しなやかに生きるための土台に

たんじょうび おめでとう! みんなでおいわいをしましたいろいろな たのしいわざを あみだして すごいな 園庭の なつみかんを いただきま-す<ファイヤーフェスティバル>の準備をはりきってやっています たのしかったよ! と<フェスティバル>に参加した子どもたちから<フェスティバル>本番の様子から企画は、「だ・る・ま・さ・ん・が こ・ろ・ん・だ」でした<フェスティバル>にはわくわくする企画がいっぱいでした

 九州北部は、記録的な豪雨で、たくさんの方がお亡くなりになりました。たいへんな被害であり、現地の人たちの様子や声に心がふるえます。終業式を迎えられない子どもがいることも知り、どれほど怖いおもいをしているかと想像します。状況をさらにつかみ、想像し、何ができるのかを考え行動します。
 
 先週、PTA機関誌「わかぎり」へ掲載した原稿です。
 保護者の皆さま、2017年度もどうぞよろしくお願いします。
 今年度の編集セクションのテーマは『しなやかに生きる力を育もう』です。テーマについて、「脳科学」(特に「脳神経回路構築のプロセス」を中心に)から学び、保育、教育、子育てと繋げ考えていこうと思います。
 脳科学者小泉英明氏は、「長い進化の歴史の過程を経て現在の状態にある人間を総合的に捉えてみて、本当に人間が知る、生きるためには、脳の一番基本の構造はどうあるべきか、どういう神経回路を形成するとその後の一生が幸せになるかを探究することが原点」、「脳の本来の性格を科学的に捉え、基礎となる器をしっかり作るのが教育の出発点」(※1)と言います。
 乳幼(児童)児期は、「神経回路の土台を造る時期」で、「五感の基礎」や「睡眠の基本リズム」などを大切にしなくてはなりません。「人為的におかしなことをやると、脳の神経回路のベースを作り損なう」ことは避けなければなりません。「脳が柔らかな幼少時には実際の自然の中で実体験をできるだけすること、それから人と人との触れあいについても、たくさんの人とできるだけ接して、いろいろと実際の体験をすること」を提起されています。実体験では、「意識下の感じないところで、いろいろな情報が体の中に入って」おり、「抽象化したものが提示されたときに、その抽象化されたものをかなり肉づけして、今度は内部世界で本物を再構築することができ」と言います。
 このような知見に学びながら、[推薦制度]のある本学園で、幼児期、児童期に必要な育ち(例えば、学童期において(1)自然そのものとふれあうこと(2)実際の事物にふれ、操作すること(3)身体をくぐらせること等)を探究してかなくてはなりません。

 この間、卒業生の「私とダンゴムシ」(※2)を紹介させていただきました。作者はダンゴムシと触れ合い、「お腹に触れると少しやわらかい感しょくがあります」、「オスは見た目が黒くて、お腹をさわると固い」など深く観察し、ダンゴムシを通して自然とのかかわりを深めています。こうしたことが自然の中での実体験の大切さとなります。対象と自分との関係の強さに、表現の値打ちをみます。
 また、作者は友だちとの関わりで認められ、「私は私であって大丈夫」と安心し、自分を創りかえていきます。そのことを「顔にダンゴムシを乗せて遊んだこともありました。ダンゴムシは足が十本以上生えているのでとても、くすぐったかったです。でも、友だちの前でやると気持ち悪いと思われるので、これは一人でやる遊びと決めていましたが、友だちの〇〇ちゃんだけは、『それいい考えだね』と、言ってくれました。とてもうれしかったし、自信が持てました。私も、これから色々な人と出会うと思いますが、まず相手を否定するのではなく、できる限り認めてあげる努力をしたいと思います」と表現しています。
 今後も、「脳科学と教育」の研究より、私たちの教育の意味を捉えていきます。
 子どもたちが「しなやかに生きるための土台」を創り出せるよう、一人ひとりの人権が尊重される平和で自由な社会を「不断の努力によって」築くことを大きな課題としています。
※1『脳は出会いで育つ』、青灯社、2005年
※2「私とダンゴムシ」は、コラム「風Ⅱ-121」に全文掲載

風Ⅱ-126 みんなの声を大切に、みんなの学校をつくる

3年生の子どもたち「みんなの声」の木

 6月28日は、前期子ども集会でした。集会の目標は、「小さい意見を大切にし、発言しやすい場を作ろう。後期の礎となるよう、たくさん意見を出そう。」でした。はじめ3年生の学級代表より、これまでの取り組みでよくなったこと、これから改善していきたいことが話されました。「平等で上級生が下級生を守る楽しい学校にしたい」(2016年度みんなで実現しようと考えたテーマ)を大切に、学級でよく話し合ってきたことが伝わりました。
 2017年度も、「みんなの声」・願いがたくさん出されています。
〈高学年との交流をふやしたい。〉〈〈あそびのきまり〉を低学年にもわかりやすくしたい。〉〈きれいな学校にしたい。〉〈自然ひろばでチャイムがきこえるようにしてほしい。〉〈図書の本をふやしてほしい。〉〈なんでも発表会に低学年も出たい。〉〈低・中学年もほかべんをしたい。〉〈竹楓荘跡地のつかいかたを考えたい。〉〈自然ひろばに生きものをふやしたい。〉などです。
 2017年度、「みんなの声」(子どもたちの提案)の木から、とくにみんなで実現に向けて考えていくテーマを「願いがかない、楽しく生活できる平和な学校にする」に決めました。そのためには、具体的にどうしたらいいか考えていきましょう。また、「みんなの声」をもとに考えた各委員会からの活動計画も提案されました。「みんなの声」の木に、たくさんの花を咲かせていきたいです。
 先日、他校を見学する機会がありました。「明るく」「楽しい」「元気のよい」子ども・学校という目標が大きく書かれ、玄関に貼られていました。こうした目標を、先生たちで決めている学校もあります。桐朋小学校は、子どもたちと先生たちがいっしょになってどんな学校にしたいかを考えます。「みんなの声」を聞き、話し合うこと、「みんなの声」で、みんなの学校を創っていくことを大切にしています。大事なことは自分たちで決めていく、大人の手を借りて実現していく経験を大切にしたいと考えます。
 このような経験は、一人ひとりが主人公になって社会に参加していくことの、根っこを育むものです。 

風Ⅱ-125 委員会で掻堀

自然ひろばの川にいました自然ひろばの川の中に、おおきな根っこもありましただんだん水がきれいになっていきます大きなばけつにきれいな水を入れてみんなで運びましたちょっと休憩。子どもたちは元気です月曜日、水がきれいと、喜ぶ低学年の子どもたち

 6月10日(土)、理科園・自然ひろば委員会の子どもたちと6年生有志の子どもたち、先生たちで、自然ひろばの池の掻堀、清掃を行いました。
 午前から午後にかけて、ドロドロになりながら一生懸命に取り組み、月曜日の池の水はたいへんきれいでした。
 みなさん、どうもありがとうございました。

 掻堀、清掃は、ぜひやりたいという子どもたちの願いから実現しました。
 委員会を選んだ理由に、この活動をぜひしたいからという子もいました。また、昨年はこの委員会でしたが、今年度は違う委員会に入ったため、ぜひこの活動には参加をさせてほしいという子もいました。

◆自然ひろば委員の子どもたちの願い
 5、6年生の各クラスより、理科園・自然ひろば委員に選ばれた子どもたち。いろいろな願いをもって、毎週活動をすすめています。
 【一人ひとりの願い】より。
 「1~6年生が、楽しく安全に遊べる広場にしたい」
 「サマフェス。をがんばりたいです」
 「自然広場『花壇』プロジェクトの実行」
 「かい堀、池の清掃」/「池をキレイにして気持ちよく遊べるようにする!」
 「池の清掃を何か月間かやらなくても良いように、土曜日などに集まって、できるだけ念入りにまる一日使ってやりたい。」/「みんなが楽しく使えるように、川や理科園を掃除する。清潔にする。」
 「竹楓荘の所を楽しい場所にしたい。楽しい自然広場をつくりたい。」
 「ツリーハウスを登れるようにしたい。」など。
 子どもたちは、自分たちの学校をよりよくしていきたいと、理科園・自然ひろばの活動を通しても学校づくりをすすめています。

◆全校児童の願い
 プレイルーム前の願いには、クラスからのたくさんの願いが貼り出されています。自然ひろばにかかわることもあります。
 桐朋小学校は、一人ひとりが願いを持ち、みんなで話し合い、自分たちで(大人の力を借りて)学校をつくる活動を大切にしています。
 「自然ひろばと畑に、よく見える時計をおく。」(「後期やります!!」委員会)
 「池に石を投げないでほしい。」
 「生き物を増やす。」(考え中です。委員会)
 「理科園にもっと生きものがあつまるようなくふうをする。」
 「自然をいかした遊具をつくる。」/「ターザンロープをつくる。」
 「自然ひろばをどんなあそび場にしたいか考える。」(「全クラスに呼びかけます」委員会)
 これからも願いの実現に向けて、みんなで活動していきましょう。

◆掻堀の活動
 掻堀、清掃活動を計画し、実施しました。朝から集まって、みんなできれいにしていきましたが、なかなかたいへんな作業でした。顔まで泥だらけになった子もいました。
 前日より池の水を抜く、生き物を見つけとり出す、泥などをとり出す、石などをとり除き一輪車で広場の端っこへ運ぶ(途中で重くて一輪車を倒し、また石の載せる)など、みんなで力を合わせて困難なたいへんな事態も乗り越えました。すばらしかったです。
 月曜日の朝みると、透き通った水が流れていました。白い色の石や緑色の石など、きれいな石を見つけている子もいました。20分休み、1~3年生の子どもたちの喜ぶ声が響いていました。

風Ⅱ-124 1年生の様子(2)

1年生の教室より新しくひろがった自然ひろばより幼稚園の子どもたち

 5月27日(土)、学校説明会に参加をしてくださった皆さま、ありがとうございました。
 説明会では、1年西組担任の丸山さんより、1年生の様子をお伝えしました。その内容を掲載します。

 小学生になりたてほやほや1年生、かわいいですね。
 ランドセルに足が生えたように歩いてきます。長い子はバスに乗って電車に乗って、約1時間かけて登校するわけですから、学校に着くとヤレヤレです。そこに「さあ、朝のお仕度です、これは引き出しにしまいます、これはロッカーです。」と、先生に言われるわけですから、朝から大変です。よく頑張っています。
 そこで、朝の会ではちょっとホッとしてもらおうと思いまして、遊んでいます。音楽の時間に習ったじゃんけんゲーム♪ げんこつ山のたぬきさんや♪ おなかがすいたらグーグーグー、それから、手遊びで、♪これくらいのおべんとばこに、で、ありさんのお弁当やぞうさんのお弁当を作ったり、♪おせんべやけたかな、♪ずいずいずっころばし、いっせーのせ3! などを4人の班でキャーキャー言いながらやっています。
 月曜日などはお休みのことをおしゃべりしたい子が多いので、「スピーチ」をしています。一人ひとり前に出てもいいのですが、24人やってると時間もかかるし、子どもたちも飽きるので、これも班ごとです。この、うさぎの人形を「ぴぃぴぃ」これがその子のお話始めるよ、の合図です。「お休みの時に公園に行ったよ」とか「おでかけして、帰ってきて、お母さんがご飯作るの大変って言ったから、レストランで食べてラッキーだった。」など、思い思いに話すとまた「ぴぃぴぃ」と鳴らして、次の子に交代です。終わった班からその日のリーダーさんが宿題を集め、最近では詩のファイルを出し、習った詩をどんどん読み始めています。 
 「あっちゃん あがつく」のシリーズを暗唱したり、かえるやとかげを捕まえてくる男の子達が親しみを持てるように「かえる 谷川俊太郎」とか工藤直子さんの『のはらうた』から「ひだまり とかげりょういち」の詩を選んで少しずつ配っています。阪田寛夫さんの言葉あそびの詩「とんてんかんてん かじやのおっさん」もゴロがよくて楽しいですね。「勉強しなきゃ」「覚えなきゃ」というよりは「つい、口をついて出ちゃう」という作品と出会ってもらえたらいいなという思いです。
 文字学習については、一日一文字ずつ丁寧にやっています。
 4月のある日、朝の会が終わるころ、校長先生が宅急便を持ってきました。「なんだろう?」「あけてみて」みんなワクワクして箱に注目です。まず、巻物が出てきました。「きょうのべんきょう」と、書かれています。そして、つめきり、つみき…「あ、つの勉強?」でも次に出てきたのは、くつした。一気にみんなの顔が「ハテナ?」ですが、「あ、でもくつしたにも『つ』がつくよ!!」と、大発見。〈もじもじはかせ〉からのお手紙もあり、「つんつくせんせいといたずらぶんぶん」の絵本も出てきて、子どもたちも『つ』のつくものをたくさん言って黒板がいっぱいになりました。
 〈もじもじはかせ〉から毎日毎日宅急便が届き、朝の着替えが終わると、職員室まで「届いているかどうか」と確かめにやってくる子がでてきました。届いていると、「わぁーい!」と大喜びで抱えて教室までもっていき、時にはこんな小さな箱を5人くらいで抱えて、「あったよ~」と、みんなに知らせてボックスが開くのを楽しみに待っています。10日ほどすると、〈もじもじはかせ〉から「わしと勉強するのはもう最後、あとは先生とみんなで頑張れ」という長いお手紙が届きます。さみしそうな子どもたちに「お手紙書いたら?」と言ったものの、10枚くらいのお手紙が届くわけですが、〈もじもじはかせ〉もいろいろ忙しくて、なかなかお返事が来ないわけです。「もう忘れたかな?」という頃にふと「はかせからお返事が来てない!」と気がついた子がいまして、そうなると、毎日のようにまだかな~と、待っているわけです。「病気かなぁ」「旅行にいったんじゃない?」などと心配しています。はかせとしましては、大変心苦しく思っています。
 日本人が代々守り育ててきた素敵な日本語、奥深い日本語を知り、身につけていって欲しいと願い、各学年に応じて、作品選びや学習方法に工夫を凝らしています。
 「体を創る」ということも小学生の大事な仕事です。
 最近は本当に周りに安心して子どもが自由に遊べる場所がありません。公園もボール禁止、木登り禁止、また幼稚園によっては「たたかいごっこ禁止」「ケンカ禁止」というところもあるそうです。安全第一はわかりますが、子どもが本能的に持っている体の動きややってみたいことを受けとめる受け皿が本当にないのです。親がつききりで公園や運動系のお教室に連れて行かないと子どもの体が満足しない状況になっています。
 1年生の体育では、遊びながら少しずつ様々な経験をしてもらっています。体育室の体育では「忍者の修行」転がったり、腹ばいでくぐったり、飛び越えたり、飛び降りたり、細いところをそうっと歩いたり。一番好きなのはふわふわのマットにジャンプでダイビングです。グラウンドでは、肋木に登る、高鉄棒にぶら下がる、ボルダリングの壁にのぼる、のぼりロープに裸足で挑戦。先日、雨が降ったのでプレイルームでの体育になりました。氷鬼やケンケン相撲をしてから、マットを敷いてお相撲大会をしました。男の子も女の子も取っ組み合っていました。まだまだ腰が高くて、重心を落として踏ん張るという体の使い方ができませんが、今後、表現学習の民族舞踊の取り組みや器械体操などの学習を通しても身体の使い方を楽しみながら学んでいきます。
 入学して、まだ1カ月ほどですが、毎日頭も身体も心もたくさん使っている1年生の子どもたちです。子どもたちの興味や関心、「やってみたい」気持ちに寄り添って学びを創る教室にしていけたら、と思っています。

風Ⅱ-123 1年生の様子

1年生の体育の様子園庭での子どもたち芽がでた! 嬉しくなってたっぷり水をあげています新しくなった子ども図書室低学年校舎の美術室前

 5月13日(土)、学校説明会がありました。たくさんの方が参加をしてくださり、ありがとうございました。説明会で、1年生担任の武藤あゆみさんが話したことを掲載します。

【生活について】
 今年度も、1年生72名、元気に入学してまいりました。1年生、とてもかわいいです。制服がまだぶかぶかで、ランドセルも大きく感じます。入学して1ヶ月経ちだいぶ学校にも慣れてきた子ども達です。
 その子どもたちが、電車やバスを乗り継いでやってくる。6・7歳の子どもにとって、それは、それは、大仕事です。ちがう方面の電車に乗り間違えてしまったり、雨の日のバスの中はすごく混んでいるのですがつぶされそうになったり、5年生のパートナーさんにフォローしてもらいながら、登校してきています。本当に、6・7歳にしてがんばって通っている、よく来たねと、抱きしめてあげたくなります。
 先日も、うちのクラスの子が電車通学で、間違えて違う方面の電車に乗ってしまうということがありました。その子は朝の会をしていると、「おはようございます。おそくなりました。」と息を切らしながら教室に入ってきました。「どうしたの?」と事情をきくと、「今日、違う電車に乗ってしまったんだ。あっ!いつもと違う!降りなきゃって思ったんだ。」とみんなの前で言いました。「えらかったねぇ。よく来たねぇ。」と言うと、クラスの周りの子どもたちも「大丈夫だった?」「すごい!のりかえられたんだ。」と声をかけます。
 その子は、教室に入って来た時は不安そうで今にも泣きだしそうな顔だったのですが、みんなから声をかけられると、少し誇らしげな顔になりました。
 また、この学校には自然広場という広場があるのですが、そこに池があります。子どもたちは、かかる橋を渡ったり、石をつたって向こう岸に渡ったり。そこで、毎年恒例、池ポチャがおきるのです。池ポチャをした子は、びっくりしてそのまま固まってしまったり、泣き出したり…。最初は、私が「だいじょうぶだいじょうぶ。」と声をかけ、ビニール袋を用意してあげたり、着替えさせたりするのですが、だんだん慣れてくると、しっかりした姉さん肌の女の子たちが、たいてい私の代わりにお世話をしてくれるようになります。今年の私のクラスの子も池ポチャをしました。「先生!〇〇くんが池ポチャした~!」とある子が報告にきてくれました。私は、そのとき、別の子の対応があり、「では、そこにあるタオルとビニール袋を持っていってくれる?」と言うと、「わかってる!やっておくね。」と言ってそれをもって、着替えさせてくれたり拭いてくれたりしてくれていました。その子も、最初は泣き顔だったのに、教室に来る頃には笑顔になっていました。
 また、別のエピソードです。この学校は、どのクラスも学級通信を配布しているのですが、うちのクラスの学級通信「ぐんぐん」にも、時々エピソードを載せたりしています。その通信の一つを読ませていただきます。
 「一昨日、みんなのお支度の様子を見ていると、〇〇〇くんが体操服に付いているお名前ワッペンがなかなか取れずに困っていました。すると、それを見ていた◇◇ちゃんがさっときて、「取ってあげようか?」と声をかけ、取ってあげていました。心がほっかほかです。「〇〇〇くん嬉しいね。◇◇ちゃんありがとう!」嬉しくなり、声をかけました。
 ワッペンの体操服からの取り外しは、1年生にとっては一苦労な作業なのです。針があって、それを指に刺さないように体操服に付けるのもドキドキ、外すのもドキドキ。
 □□ちゃんは、「先生、取ってくれる?」と帰りの会のときに来ていましたが、少しずつコツを教え、手を持ちながら取り外しの練習をすると、ある日、「先生!自分でできた!!」と本当に嬉しそうに、満面の笑みで報告してくれました。またまた、心がほっかほかの場面です。
 ワッペン一つとってもドラマがあります。子どもたちのできた!に出会えたり、お友達とのやり取りの中でいろいろ感じ、学ぶ瞬間に出会えることを幸せに感じます。/できないことを、わからないこと、まちがうことをたくさん出せる安心した教室の中で、お互い助け合いながら、ほかほかのクラスにしていきたいです。」
と書きました。
 一見マイナスに見えるような出来事(電車を乗り間違えるとか、池に落ちてしまうとか、ワッペンができないなど)も、その子その子にとって、とても大事な経験・学びになると考えます。失敗したり、できないことがあったり、けんかしてしまったり、怒られたり。そして、そこから、励まされり、助けられたり、仲直りしたり、あやまったり。そういう経験、ひとつひとつがとても大事なのだと思います。
 ゆっくりじっくり、一人ひとりのひとつひとつのドラマを大事にして、それを周りの大人が見守り、時にはサポートしてあげる、そんな学級づくり学校づくりを大切にしています。
 
【学習について】
 次に学習についてです。まず、文字の学習についてお話します。今子ども達は1日一文字、ゆっくりと文字を学習しています。ある日、「もじもじはかせ」から宅急便が届きました。それを、校長先生が「武藤先生、もじもじはかせから何か届いていますよ。」と箱を持ってきてもらいました。みんなそれを聞いて「なんだろう?何が入っているんだろう?」とワクワクドキドキ。箱をゆすってみたり、中身を想像してみたり。
 そして、みんなの暑い視線が集まる中、ゆっくりと箱を開けてみました。中には、「くつ」「つみき」「つめきり」が入っています。「なんだろう?」みんなの頭の上には「?」がいっぱい。すると、ある子が「『つ』だ!みんな『つ』がつくよ!」と目を輝かせて言いました。そのあと、『つ』のつくものをいろいろ出し合います。
 文字と物とことばが結びついた学習が大事だと考えます。一つの文字から様々な情景や感情をくみ取り、子どもの体験を言葉にのせていく実践も大事にしています。
 先日、「い」を習った時には、こんな詩を作って子ども達と読み合いました。
「いいな いいな ○○って いいな だって △△なんだもん」
「ここに何入れる?」と問うと、いろいろ出てきました。
 いいな いいな こっくさんって いいな だって おいしいものが つくれるんだもん
 いいな いいな あいどるって いいな だってもてるんだもん
 いいな いいな じゅういさんって いいな だって どうぶつ かわいいんだもん
「じゅういさん って なに?」「動物のお医者さんだよ。」「私獣医さんになりたいの。」
そんな会話も盛り上がります。
 ワークやドリルだけの文字のおけいこでは、日本語の持っているリズムやことばが感情や生活と結びついていることが理解されないまま、子どもにとってはつまらないものになってしまいます。これから、文を書いていくうえで、文字が実感と体験を表していることに気づいていくことが、基礎的な力となっていきます。
 また、「そ」を習った時は、もじもじはかせが「そらまめ」と「へそ」を届けてくれました。「そらまめ」がたくさん入っているのを見て、「それなに?」「そらまめだー。」と興奮する子ども達。沢山入っているそらまめを見て、「何粒くらい入っていると思う?」と言うと、「うーん。クラスの人数くらいかな?」と言う声が。「みんなに配ってみればわかるんじゃない?」という声も上がり、配ってみることに。一対一対応の学習です。
 結局そらまめは、24個以上ありました。
 それを、今度は皮を剝いてみます。「私そらまめの皮を剥いたことないなぁ。」「どこから剥こう。」とわいわい言いながら剥いてみます。
 「そ」の文字の学習(国語)、「一対一対応」の学習(算数)、そらまめ自体の学習(総合)とたくさんの学習をしました。すると、おうちで「「そらまめくんのベッド」という絵本の読み聞かせをしました。」とか「さっそく、そらまめを買ってきて家族で皮むきをして食べました。」と連絡を下さるご家庭もありました。
 覚えこむことより、疑問を大事にし、自分の頭で考え、納得する学びを大事にしていきます。
 例えば、「4+2=6」の学習 文章問題を作るとき、数年前の1年生で「4りんのお花と2この花瓶を足して、6と答えた子がいました。桐朋小では、式に単位を付けていくことを大事にしているのですが、そのときに、「4+2=6 で 6何?って答える?」と助数詞が何かを考え合いました。
 式に単位を付けることによって、4りんと2こは足せないことがわかります。計算がぱっぱとできることだけをめざすのではなく、深くわかるということ、なるほどな思える学習をめざしていきたいなと思います。
 一人ひとりの持ち味がちがい、その子によって凸凹があります。
 例えば、お話をするのが得意な子もいれば、あまり話さないけどじっくり考えている子もいます。理解が早い子もいれば、ゆっくりわかるまでじっくり取り組む子もいます。活発で動いているほうが得意という子もいれば、本を一人で読んでる方が好きな子もいます。なので、そういった一人ひとりの得意なところは伸ばし、課題はフォローしてあげられるように、年2回5月・11月の面談の中で、その子にあった伸ばし方、フォローの仕方を一緒に考えていきます。
 あまり先取り学習をしてしまうと、「知ってるー。」とそこで終わってしまう子がいます。その「知ってる」は、やり方を知っているということが多いのです。先ほど話した「4+2=6」はできます。けれど、本当にわかるということを学んだり、共同で学ぶことの意味をちゃんと味わってもらいたいと思います。「やらされ感」が強い子は、その後伸びていかないことが多いのです。6年間、共同の学び、自主的自治的にまなぶことを大事にしていきます。「学ぶって楽しい。」「もっと知りたい、わかりたい。」と思う授業を目指します。

風Ⅱ-122 子どもたちの団活動

演劇団民舞団競技かるた団パティシエ団

 桐朋小学校では、子どもたちの自治的活動を大事にしています。
 子どもたちにとって、大事なことは自分で決めていく、大人の手を借りて実現していく経験は大切です。そうした経験により、自信や自尊感情を育みます。
 さまざまな参加活動を通して、学校や社会のつくり手となっていくための根っこを育てていきます。
 
 4月より子ども団活動を始めました。まずはじめに、子どもたちが作りたい団の呼びかけを行いました。そして、人数や場所などの調整をして活動を開始しました。子どもたちがやりたいものを自ら実現してゆく力をつけ、活動の担い手としての積極性を獲得しています。

 4月、呼びかけられた団です。呼びかけは、その一部を紹介しています。
競技かるた団
「『からくれなゐに水くくるとは』いろいろな人と対戦してどんどん強くなって公開戦に出よう!」
パティシエ団
「みんなで楽しくおかし作りをしましょう! 自分たちが作りたいおかしを提案して作ろう!」
将棋団
「将棋関連ならなんでも出来ます。(中将棋、軍人将棋など…)女子でも大丈夫です」
バドミントン団
「やったことのない人も楽しくできると思うのでぜひ。ラリーやトーナメント戦などもやりたいと思います」
サッカー団
「6年生にも初心者がいるので安心して下さい。上手、下手、関係ありません。試合中心でやりたいと思います」
民舞団
「毎年、運動会で6年生がやる『中野七頭舞』をやります! 6年生になってから焦らないように今からやっちゃうましょう!」
タグラグビー団
「普通のラグビーでいう、タックルのかわりに、タグをとるスポーツです。いっぱい体を動かしたい人はぜひ来て下さい」
コマ・ヨーヨー団
「コマやヨーヨー、ベーゴマなどをいっぱいやって昔遊びをうまくなろう。回せなくても1から教えます」
演劇団
「劇を練習します。そして最後の団活で発表もします。声が小さくても大丈夫! 男女関係なし!」
テニス団
「男女で楽しくできたらいいな!! と思います。最後には試合(ゲーム)をたくさんしたいです」
卓球団
「優しく教えます。2人組を組んでラリーで記録をだしてみませんか? ダブルスもやります」
バスケットボール団
「バスケに興味ある? 男子も女子も大歓迎! みんなで楽しくバスケをし、うまくなる」
The Magic団
「男子女子´ちょい´関係なく、Magicを練習して、任意で先生や下級生にMagicをひろうする」
 今回、成立しなかった団は残念でした。後期にできるといいですね。事前に仲間に呼びかけ、いっしょに活動する仲間を増やしてみてはどうでしょう。

風Ⅱ-121 子どもが子どもらしくいられる時間、空間を

 私たちの園、学校では、〈子どもが子どもらしくいられる最良の時間と空間を大事にしたい〉と考えています。小学校では、〈放課後も、ゆったりしたり、夢中になって取り組める時間、空間を保障〉したいと考えます。
 そのことの大切さを、この春に卒業した子どもから教えてもらいました。作者は、自分らしさを豊かに育んでいました。

   私とダンゴムシ
                            2016年度卒業生

 私は、ダンゴムシが大好きです。
 幼稚園生の頃、学校でダンゴムシが沢山いる所を発見しました。そこは購買部の前のレンガの道で段差の間に穴があいてる所です。ある日、天気があいにく、雨でレインコートを着ていました。母に内緒でダンゴムシを家に持って帰りたくて、レインコートのポケットにダンゴムシを、数十匹入れて帰りました。電車に乗って座っている時も、ポケットをおさえて、ダンゴムシが外に出ないようにしていました。とてもドキドキしていました。
 帰宅して、しばらくすると母の悲鳴が聞こえてきました。この後、どうなったかは読者のご想像にお任せします。
 小学校低学年の頃は、自然広場の大きい石の裏にダンゴムシがいて、遊んでダンゴムシの行動を観察していました。例えば石の上や、葉っぱの上、毛糸の上、木の上、などに乗せて見ていました。その中でも毛糸の上に乗せた時だけ、ダンゴムシが動かなくなり、じーっとしていました。具合が悪くなったと思い、土に返してあげたら急いで逃げてしまいました。きっと毛糸の感触が不思議だったのかもしれません。
 高学年になると、ダンゴムシの食べ物について興味がわいてきました。与えてみた物は、にんじん、レタス、枯れ葉、じゃこ、パンなどを与えてみました。その中でも特に喜んで食べていた物は、パンでした。とても意外でした。パンをあげてみたら、お腹が空いていたみたいで、ムシャムシャ食べていました。どうやって食べているのかな? と思い、見てみたら口を上下に開いて食べていました。私の小指ぐらいの大きさのパンを四~五分ぐらいで完食してしまいました。
 また、手の平で出産したこともありました。このダンゴムシは、私が下駄箱で飼っていたダンゴムシです。たまたま手の平に乗せて遊んでいる時、私が、あお向けにしたら急にお腹に切れ目が入って沢山の赤ちゃんが出てきました。大きさは一ミリ程度で、色は薄い黄色で目は黒色でした。静かに元に戻してあげました。翌日、自然広場に返してあげました。無事に成長しているといいです。
 また、顔にダンゴムシを乗せて遊んだこともありました。ダンゴムシは足が十本以上生えているのでとても、くすぐったかったです。でも、友だちの前でやると気持ち悪いと思われるので、これは一人でやる遊びと決めていましたが、友だちの〇〇ちゃんだけは、「それいい考えだね」と、言ってくれました。とてもうれしかったし、自信が持てました。私も、これから色々な人と出会うと思いますが、まず相手を否定するのではなく、できる限り認めてあげる努力をしたいと思います。
 今まで、ダンゴムシと遊んでいて、自然とオス、メスのちがいやワラジムシとのちがいを学びました。まず、オスとメスのちがいですが、オスは見た目が黒くて、お腹をさわると固いのです。メスは見た目がオスほど黒くありません。お腹にふれると少しやわらかい感しょくがあります。また、ダンゴムシと似ているワラジムシという虫がいます。けれどワラジムシはダンゴムシのように丸くなれません。これがワラジムシの特徴です。
 図鑑をみれば、詳しく載っていますが、私は遊びを通して自分で見たり、触れたりすることによって自分なりに学べたと思います。こんな小さなダンゴムシから、八年間色々なことを知ることができました。まだまだ知らないことも沢山あると思うし、これでダンゴムシの全部の観察は終わらないと思います。中学生になったら生活が忙しくなると思いますが、たまに時間をみつけて、ダンゴムシの観察をしたいと思います。休み時間に、たまたま友達がいなくてもダンゴムシが、ずっと今まで八年間いてくれて、とても心強かったです。

ダンゴムシ
手の平乗せて
遊ぶけど
くすぐったくて
たえられない
ダンゴムシ、今までありがとう。

風Ⅱ-120 ´染井吉野´について

アスレチック付近の´染井吉野´マイツリー研究ノートより幼稚園玄関前の´染井吉野´園庭のさとざくら低学年校舎~高学年校舎のさとざくら5年生と1年生の学校めぐり

 桐朋学園にある´染井吉野´。今年は例年に比べ、遅くまで咲いていました。入学式、入園式は、´染井吉野´が咲いているなかで行うことができました。
 4年生が『マイツリー研究』をしています。学園にある木の中から自分の好きな木を選び、1年間かけて観察、研究をしていきます。私もその研究に参加し、´染井吉野´を調べてみたいと思いました。岩波新書の『桜』(勝木俊雄著)を読んでみました。
◆名前の由来
 江戸染井村から売り出された吉野桜(奈良県の桜の名所である吉野にちなんだ名称)で´染井吉野´ということでした。明治10年代、東京帝室博物館(東京国立博物館)天産部職員の藤野寄命(きめい)氏が上野公園の桜を調査し、1900年日本園芸雑誌に´染井吉野´と命名したそうです。見栄えの良さや成長の早さなどから全国にひろがったそうです。
◆なぜ同時期に咲くのか
 どうして´染井吉野´は同時期に咲くのだろうと思っていました。勝木氏によれば、´染井吉野´は「接木によって増殖され、すべての個体が同じ遺伝子をもつクローン」いうことが理由としてあげられていました。「新しい個体は、接いだ部分から下側の根の部分は親木と異なるが、接いだ部分から上部は親木とは変わらない形質」をもち、「同じ形態をもつ花をつけ、同じタイミングで一斉に咲いて一斉に散る」と言います。ちなみに、種子で増殖したサクラの場合、一斉に咲くことはないそうです。
◆学園の´染井吉野´は大丈夫か? 樹齢60年説に関して
 毎年きれいな花を咲かせている´染井吉野´。幼稚園玄関前の´染井吉野´は古木となりました。台風で枝が折れてしまうなど、枯れて倒れたりしないか心配されています。「ソメイヨシノ寿命60年説」も気になります。
 勝木氏によれば、「染井吉野は実は長命の樹木であり、生き物としてみた場合、数十年といった短い寿命であるとは言い難く、短命説は明らかに誤解である」と言います。弘前公園の´染井吉野´は1882年に植栽されたという記録があり、小石川植物園でも100年以上であると言います。
 勝木氏は、´染井吉野´について「植えてから20~30年ぐらいで最も見頃な状態」となり、その後は「花つきが悪くなり、花見の対象というモノとしての寿命が尽きたとみられるようになる」というのが正しい捉えではないかと言います。そして、「よく手入れがなされれば寿命は延びる」とも。そのように考えれば、玄関前の´染井吉野´も大切に育て、これからも私たちの身近にいてほしいと思います。
◆さらに知りたいこと
 現在、満開の〈さとざくら〉についても調べてみたくなります。「さくら」を研究対象にひろげてみようかと考えます。「桜はどのようにして春を感じ開花するのか」「毎年ほぼ同じ時期に開花するのはどうしてか」など不思議です。
 勝木氏は、「桜の花の花芽は、咲く前年の夏にはできている。葉のつけ根に小さな突起がひとつ生じ、これが冬芽となる。花が伸びるものを花芽、葉がつく枝が伸びるものを葉芽という。/通常の花芽は夏期にできたあと、翌年の春まで休眠する。(略)葉で生成されたアブシジン酸という植物ホルモンが、冬芽の成長に必要なジベレリンの作用を抑制するため、冬芽は休眠する。(略)冬期の低温刺激によってアブシジン酸が減少するとともにジベレリンが増加し、冬芽の休眠が解除される。休眠が解除され、暖かくなると冬芽が成長し、やがて開花する」と言います。1年間定点観察などもして捉えてみたいと思います。