2018.11.27

桐朋学園小学校の創立60周年行事に参加をさせていただきました [Ⅱ-176]

 11月16日、桐朋学園小学校の創立60周年記念行事に参加させていただきました。創立60周年、おめでとうございます。

 13時より、小学校講堂で素敵な記念演奏会がありました。出演は、NHK交響楽団メンバーによる特別編成・室内オーケストラでした。そのメンバーは、桐朋学園大学出身の方が多数でした。4~6年生(1~3年生は午前中)と一緒に参加させていただきました。

 15時より、新校舎を案内していただきました。4~6年生が、週に1度昼食をとる中高の食堂も見学しました。

 16時より、小学校多目的ホールで、お祝いの会がありました。現旧教職員の紹介、学校紹介の動画上映、卒業制作の動画上映など、心あたたまる会でした。お世話になってきた懐かしい先生方とも話すことができ、嬉しく思いました。

1959年4月13日に開校

 1年生43名、2年生25名、3年生32名、計100名の子どもたちと、小林校長、児玉主事、小坂部長、1年~3年担任1名、音楽、図工講師各1名の先生たちではじめられました。教育的意義として、「中学校、高等学校との併設によって、国立町に普通教育機関を完備し、その総合的研究ならびに活動を期待することができる」、「男女共学性をとることによって調布市の桐朋女子中学校、同女子高等学校の教育と有機的に連絡することができる」、「学級の小人数編成によって全人教育の理想と学習指導の効果を最高度に発揮することができる」などを掲げられました。

「一人ひとりの子どもの、心のすみずみにまで行きわたる教育を」

 桐朋学園小学校の10周年記念誌を読むと、当時の小坂部長が、「一人ひとりの子どもの、心のすみずみにまで行きわたる教育を。それが私たちの念願だった。」と書かれていました。「教員室に座っていれば、足音で、今、何年生が変えるかがわかった。いや、誰君が歩いているんだと、窓越しに聞こえる声でわかったほどだ。「ここに来ると、何か家へ帰ってきたような気がする」と言われた方があった。」など、いくつかのエピソードから当時のおもいを感じることができました。「一人ひとりの子どもの、心のすみずみにまで行きわたる教育を」は、桐朋学園小学校の教育目標となり、常にこの原点に立ち戻って実践をすすめられています。

教師自らの手で目指す教育を追求し形に

 桐朋学園小学校の教育で、私たちが学ぶべきことがたくさんあります。その一つに、1991年よりはじまった桐朋学園小学校ならではの生活科(毛刈り、染め物など)があります。それは、「具体的事物を通して直接体験することにより、生きていく上で必要な知識や技能を身につけさせ、同時に情緒を培い、生きる力、考える力を育てる。また広い視野から、人間を育んでいる自然や社会についての認識を深め、人間はどう生きるかということについてより深く考える姿勢を育て」ています。そこには、公立小学校の生活科とは違う、「子どもたちの日常や未来をふまえつつ、議論と実践を重ねて、独自の道筋で理想とする教科をつくりあげた」ことがあり、学園小学校の先生方は、自分たちの「生活科」づくりを、教師自らの手で目指す教育を追求し形にしていきました。すばらしいと思います。

同じ時代をともに生きる

 片岡哲郎校長先生が、桐朋小学校の60周年記念誌に寄せてくだった文に、桐朋小学校の良さとして「ヒロシマ修学旅行」を取り上げてくださり、「気魄のこもった教育実践」「本物に触れさせることを意識した初等教育を通じてこどもたちの真剣な眼差しの中に灯された光」と書いてくださいました。「戦後70年の今年、私たちは時代という川の激しい背に立っています。これから先も、子どもたちにとって望ましい環境を守り続けていくために、私たちは両足にしっかりと力を込めて立たなければなりません」と述べられ、思いを重ねました。

 60周年記念行事の前日に、桐朋小学校の3名の教員が桐朋学園小学校に伺い、しぜんひろばにかかわることを学びました。これからも、桐朋学園小学校とともに同じ時代を生きる、たとえば両校で共同で実践を話し合い、学び合う機会を持ちたいと願っています。  ※3枚の写真(絵)は、桐朋学園小学校の「桐の庭だより」より引用させていただいています。

 

 

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