2018.2.2

コラム

子どもの育ちや子育てについて、いっしょに考えていきましょう[Ⅱ-145]

 保護者の方より、子育ての不安や悩みを教えていただき、いっしょに考え合うことで、保育者も育ててもらっています。

子育ての不安や心配、悩み
 保護者の方より、「話しはじめたのが遅かったので、その時期は周りの子と比べ毎日とても焦り不安でした。周りの子はもう話している、この子はいつ話してくれるのだろう、毎日毎日自問自答しました」、「思い描いたような子育てにならず、自分たちで何とかしなければと強く思い、自分が劣っているからではないかと恥じてしまい、インターネットを中心に子育てのイロハを調べるようになってしまいました。世間から見た良い母親像になれているかそればかりが不安だったように思います」、「初めての子育ては、戸惑いの連続です。なぜ泣いているのか、何がそんなに嫌なのか、わからないことばかりで、母たちに助言をもらったり、友と悩みを分かち合ってきました。自立心が芽生え、反抗と甘えを繰り返すこの頃では、どこまで許容して良いのか、意志や個性の尊重とわがままを認めることの境はどこにあるのかと、とても迷います」など聞きます。
 懇談会では、「わが子だけがこんなにヤダヤダ病で、甘えん坊。赤ちゃん言葉になったり、何事も否定から入り、計画通りにちっとも進まないと思っていたのですが、お話を聞いてみるとみなさん様々な思いをされていて、〈あるある話〉が多くありました。改善していきたいとは思いますが、親の求めるペースと子どもの成長のペースの違いという点にも気づき、焦らずにやっていけば良いんだなと思えました」、「テーマは『甘え』でしたが、みなさん自分と同じようなことに心配や不安があることに気づきました。『周りからみたら甘えてると思われることも、親子にとっては大切なコミュニケーションだったりする』と言われていた言葉はその通りだなと思いました」など語られます。
 子育ての心配や悩みはつきません。一人で抱えこまないで、同じ子どもを育てるもの同士が集まり、不安や悩みを語り、知恵を出し合い、支えを増やしていきましょう。みなさんと子どもを育てる豊かなコミュニテイーをつくり、ひろげていきたいと考えます。

「孤」育てで、自分を追い込まないで
 入園は、お子さんにとっても、ご家族にとっても喜びであると同時に、不安や心配を抱え、うまくいかないことも出てきます。そうした時期であり、それが当たり前です。私たちは、子どもや親の不安や心配を共有し、いっしょに乗り越えていきたいと考えます。そして、事実をもとに良さや課題をいっしょに考え、子ども、親、保育者がともに育っていきましょう。期待、喜び、不安や心配ごとも含めて、幼稚園での生活を楽しみにしてください。
 現実には、乳幼児期の母子が密室で孤立化している問題や、育児の理想型やあるべき姿について情報ばかりが孤立状態の母親の降り注ぐ問題などがひろがっています。そこへ、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって…」(教育基本法10条、家庭教育)と法があり、子育てにおいて「基本的な生活習慣や態度が身についていないこと、自制心や抵抗力、忍耐、規範意識が育っていないこと」での「家庭教育の責任の大きさ」や「子どもが直面する問題は、親の自覚や知識、愛情のなさ。親の責任を問うものです」などと言われたら、ますます自分を追い込んでしまうかもしれません。そうならないように話し合っていきましょう。

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