研究所だより

二八のつぶやき〈第17回〉

2014年12月20日


今年も、残り少なくなって参りましたね。

時が過ぎるのは早いなあ…とも思いますが、
一年とは、ほぼ52週なのだと思えば、
早く思えるのも仕方がないか!(開き直り!)という感じもいたします^^

皆さま、2014年はどのような年だったでしょうか。
2015年も喜び多い年でありますよう、願っております。

さて、今年最後の「二八のつぶやき」、
ご担当は真野先生です。

STAP細胞の検証実験が打ち切りと発表された昨日、
この「つぶやき」が掲載された12月号の甑が配布されました。
なんて、タイムリー……。

とはいえ、内容は、真野先生の「教師論」が垣間見える
すてきな「つぶやき」です。

年末最後に、とても良い贈り物をいただいた気分です。






〔2014 / 12  No.17〕


今年も一年が暮れようとしている。
“1年の十大ニュース”が発表される頃でもある。
理科の教員として気になるのは、
やはりSTAP細胞論文問題のその後である。

これについて思うのは、小保方氏の、研究者として最も基本にあるべき
倫理観の欠如とそれを見抜けなかった出身大学や理研の体質である。
特に彼女が博士論文において、ネット上の他人の英文を
20ページ分もコピーして引用していたこと、
STAP論文では他の論文と同じ画像を貼り付けていたことは、
中高生でも知っている“してはならない行為”である。

彼女を指導してきた教官は何を教え、
なぜチェックできなかったのかと思わざるをえない。

私はつくづく東京教育大学時代の指導教官に恵まれていたなあと思う。
その方は、故・藤田至則先生。
当時、流行しはじめたプレートテクトニクス理論を批判し、

「日本の学者は欧米生まれの新しい学説にすぐにとびつく。
プレートの存在を確かめた人はいるのか?
まずは自分の足で山(フィールド)をくまなく歩かなくてはだめだ。
そして自分の眼で事実を正しく観察したうえで、
自分なりの概念を見つけ出し自力で論理を組み立てることだ。」
といつも強調されていた。

とにかく厳しい先生だった。
卒論の原稿にも幾度となく朱が入り、
ようやくOKが出たのが締め切り間際だった。

一方で、当時先生は50才を過ぎていたにもかかわらず、
私のフィールドに何度も足を運び、いっしょに山に登り
調査のアドバイスをしてくださった。

夜、宿に戻ってからは酒を呑み交わしながら
まるで同級生のように地質談義につき合ってくださった。
卒論を学会誌に投稿するように促された時も、
論文の書き方をイロハから教えていただいた。

さらに「この論文の筆頭著者は君の名前にしなさい。
ぼくの名前は謝辞欄にでも小さく載せればよい。」とおっしゃり、
実際そのように対応してくださった。

私が教師として生徒と接する時の原点、
地学の授業を行ううえでの原点は藤田先生にある。
教師にとって小中高時代、大学時代、
どんな先生からどんな教育を受けてきたか、
恩師と呼べる先生はいるか、といったことは
その後の教師生活に大きく影響してくるような気がする。

このことを改めて痛感させられたSTAP細胞問題であった。

(真野彰)
 

二八のつぶやき〈第16回〉

2014年11月28日


仙川キャンパスの樹木や、街路樹の紅葉を楽しんでいたら、
いつのまにか、年末の気配が近づいて参りました。

クリスマス、年越し、お正月……と、行事が目白押しの
忙しいけれども楽しい季節が始まりますね。


さて、11月の「二八のつぶやき」は、岸先生のご担当です。
今回は、岸先生お薦めの映画のお話です。

いろいろあった今年一年を振り返りながら、
ゆったり映画を観て過ごす時間も、
また味わい深いものかもしれませんね。







〔2014 / 10  No.16〕

久々に愉快、爽快、観終って大満足の映画を観た。

スウェーデンの映画「100歳の華麗な冒険」である。
100歳になるアランは自らの誕生日に老人ホームを抜け出す。
ひょんなことからギャングの表沙汰にできない大金を手にしたアラン。
警察は失踪人として、ギャングは金を奪還しようとして彼を追う。
アランはそんなことは我関せず、気ままに旅を続ける。
そんな彼の現在と、過去が交互に描かれ、
やがてアランの奇想天外な人生が明らかになってゆく。

幼い頃に両親を亡くした彼は、爆発物に異常な興味を示し、
やがて専門知識を身に付けていく。
爆破が大好きな彼は、スペイン内戦に参加。
ひょんなことからフランコ将軍の命を救い、歓待される。

その後、ニューヨークに渡った日は、真珠湾攻撃の当日。
爆破好きな彼は、マンハッタン計画に興味を持ち、
原爆の最終工程に悩んでいたオッペンハイマー博士に助言。
原爆開発に一役買う。トルーマン副大統領とも親交を結び、
その後、またまたひょんなことからソ連へ行くことになるが、
スターリンの前で失言をして強制収容所へ。

そこで知り合ったアインシュタイン博士の弟と脱出。
パリではソ連のスパイを摘発したことでCIAにリクルート。
本人の自覚のないままソ連とアメリカの二重スパイとして活躍。
ゴルバチョフやレーガンとも関わりを持つ。

こんなストーリを紹介すると、
「フォレスト・ガンプ」を思い起こす方も多いと思う。
まさに、スウェーデン版「フォレスト・ガンプ」である。
純真なガンプと違うのは、アランは単に気ままな酒好きで、
マイペースな人生を歩んできたということ。

警察とギャングに追われる彼は、現代でも勝手気ままに旅を続ける。
警察に追われている問題も、ギャングに追われている問題も
彼の知らないところで勝手に解決。
ラストは、旅の途中で出会った人々と共に
アランに思いがけない幸福が訪れる。

「やっちまったことは元に戻らない」
「人生なるようにしかならない」を人生訓にして生きるアランと共に、
この映画は100年の歴史を俯瞰させてくれる。

この100年で人類は何を成し遂げたのか?
実は日々の些細なことの積み重ねが、
歴史を作り、歴史を変えていくのだ、
そんなことを思わせる映画でもある。

お時間のある方は是非劇場へ。お薦めです。

(岸 一正)

二八のつぶやき〈第14・15回〉

2014年10月31日


秋も深まって参りました。
(……というより、もう冬?確か、木枯らし一番はもう吹いたとか…。)
 
皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
 
教育研究所が運営しております桐朋講座は、
桐朋祭の発表会を終えて、
ただいま、後期の開講を迎えております。
 
見学にいらして、ご入会を決めてくださった
新規の受講生の方も増え、担当者としてうれしい限りです♪
 
とはいえ、またしても更新が滞っておりまして、
大変申し訳ございません……。
 
ご想像通り(?)二八のつぶやき、二回分たまっております!
 
それでは、まとめて、お送りいたします!
 
 
…… 今回は、深まる秋にふさわしく、
しんみりと胸に染み入るような、
静かに物思いにふけりたくなるような、
お二人の「つぶやき」のような気がいたします。





〔2014 / 8・9  No.14〕

今月7日、山口淑子さんが、94年の生涯を閉じた。

戦前、戦中は満州映画協会のスター「李香蘭」として活躍。
戦後は、女優・ワイドショーのキャスターとして活躍し、
その後、政治家に転身。参議院議員を18年(3期)務めた。
 
私が高校生、大学生の頃はフジテレビのワイドショー
「3時のあなた」の司会者として認識していた。
 
かつて「李香蘭」の名前で映画に出ていたと
いうことくらいは知っていたが、その詳細は知らなかった。
 
「李香蘭」その人に興味を抱いたのは、平成5年。
当時担任していた50期緑の高3F組が
文化祭でミュージカル「李香蘭」をやることになった。
私もちょっと間抜けなラストエンペラー溥儀役で出演したが、
上演に際して「李香蘭」とはいかなる人物なのか、いろいろと調べてみた。
 
調べてみて、その数奇な運命、
ドラマチックで波乱万丈の人生にとても驚いた記憶がある。
 
中国で生まれ、親中国的であった父親の方針で、
幼い頃より中国語に親しみ、
義理の親子の契りを結んだ中国人の知人から
「李香蘭」という中国名を得る。
 
日本語・中国語共に堪能であったため、
日中戦争開戦の翌年に、満州映画協会から
中国人の専属映画女優「李香蘭」としてデビュー。
女優・歌手として日本や満州で大人気を博す。
 
しかし、中国人と思われていたため、
日本の敗戦後、日本に協力した裏切り者として
中華民国政府の裁判にかけられる。
あわや銃殺刑かと思われたが、
日本人であることが証明され、国外追放となり帰国。
 
 
山口さんは、「李香蘭」として日本の国策映画に出演し、
日本にとって都合のいい中国娘を演じたことを
生涯悔いていたという。
 
その贖罪の気持ちが、その後の山口さんの生き方を方向付ける。
キャスターとして、政治家として
常に平和と人権擁護のための発言をし、行動することとなる。
 
パレスチナ問題に関わり、政界引退後は
女性のための「アジア平和国民基金」の副理事長も務めた。
著書やインタビューでも、自身の体験、過ちについて
作為を加えずに率直に語った。
 
過去と誠実に向き合い、過ちを正そうとした山口さんは、
日本と中国の平和を生涯祈り続けていたという。
心からご冥福をお祈りしたい。
 
(岸)

 





〔2014 / 10  No.15〕
 
 
 
このごろ自分の人生を逆算して考えるようになった。
 
日本人の平均寿命から考えて、自分はあと二十年ぐらい、
もしかしたら十年ぐらいしか生きられないという縛り。
その中で何ができるかと考えると、焦りが生じてくる。
 
そんな折、いい本に出会った。
『おかげさまで生きる』(幻冬舎・矢作直樹著)。
 
この手の本はお坊さんがよく書く。私も随分読んだ。
しかし今回の本は、私より三才年下の救急救命医が
書いていることに興味を持った。
「同感だな。いいこと言ってるな。そうありたいな。」
ということが多く書かれてあった。
 
私が特に気に入った箇所を並べてみる。
 
 
●人生は生きた年数で判断されるべきものではない。
死から逃げない、目をそらさない。
今日と同じ明日が来るかどうかはわからない。
だから常に一期一会の心で、毎日を全力で楽しむことが最も大切。
 
 
●人生は寿命があるからこそ素晴らしい。
限られた時間をいかに過ごすかが大事。
どんな人にも永遠の寿命はない。
だからこそ今を楽しみ、今を生きることに集中しよう。
 
 
●生きることとは死ぬこと。
あるがままの自分を受け入れ、「すべては学びである」と知る。
決断に迷いは持たない。
理不尽な状況でも、覚悟を決めなければ前には進めない。
 
 
●物欲に振り回されてはいけない。
私たちがあの世に持っていけるのは、物ではなく
様々な経験から得た記憶だけ。
 
 
●人間は時間を経ると老いていくのが当たり前。
余計な見栄を張らず、周囲の評価を気にせず、
エイジング(加齢)を楽しむ余裕を持ちたい。
そのために目に見えないものには敏感に、
世の中のせわしなさには鈍感に。
 
 
●人生はギブ・アンド・ギブ。
惜しみなく与え続けると、全く別のところからギフトが届く。
しがらみを捨てて自分を解放すると、
孤独感が薄れて他者とのつながりが太くなり、
人生そのものが豊かになる。
 
 
「余命をいかに生きるか?」
 
―これに対する私の答えは、
 
「今を楽しむ。
おかげさまという感謝の念と利他の心を持って、
お天道さまに恥じない生き方をする。」
 
ということかな。
 
(真野)

二八のつぶやき〈第12・13回〉

2014年07月17日


梅雨明け宣言はまだのようですが、
とても暑い日が続きますね……。

皆さま、水分を十分摂られて、お体を労わってくださいませ。


さて、本日、44期の卒業生の方が、
教育研究所をお訪ねくださいました^^

真野先生、岸先生と、とても楽しそうに
お話しされて帰られました^^

そしてなんと、
「『二八のつぶやき』読んでますよ」とのうれしいお言葉(T△T)!

読んでくださっている方もいらっしゃるのですね……。
誰も気づいていらっしゃらないのでは……と
ちょっとさびしくなり、
最近は更新も滞りがちだったのですが、
(手前勝手な判断で、大変申し訳ございませんでした)
これからは、心して努めたいと思います!


それでは、No.12からの『二八のつぶやき』をどうぞ!






〔2014 / 5  No.12〕

以前、この欄で自分は当面ガラケー(ガラパゴス携帯)愛用者を貫く。
LINEやTwitterには手を出さないと宣言した。

しかし、諸事情があってひと月ほど前に
ソフトバンクのアイフォンを手にすることになった。
様々な機能は使いこなせそうもないので、
息子と全く同じ機種を購入し、教えてもらいながら使用している。

どうせメールと電話くらいしか使わないんだから、
と思いつつ購入したが、
しかし、使い始めてみるとこれがなかなか便利なんですね。

 
「お父さん、メールなんかよりLINEの方が連絡取りやすいし、
第一お金がかからないよ」との息子の言を受け入れ、
LINEにも手を出すこととなった。

すると勝手にLINEでやり取りできる仲間のリストが出てくるんですね。

お蔭で懐かしい卒業生や
高校時代の同級生との連絡が取れることになり、
ここひと月、急な飲み会が増えてしまう結果となった。

スマホの便利さに感心しつつ、
すこしずつほかの機能も使いこなせるようになった頃、
新聞紙上に民間会社によるある調査結果が掲載された。

その調査結果によると、
女子高生は今、スマートフォンや携帯電話を
一日平均6・4時間も使っているとのこと。

12時間以上の生徒も1割を超えていたという。
スマホが普及する前、7年前の内閣府の調査では
女子高生の携帯使用の平均は124分であったという。
今や7年前の3倍に及んでいる。

高校時代、大学入試を控えて必死に勉強していた頃は、
毎日7~8時間勉強に時間を掛けていた。
我ながらよく頑張ったとの思いがあるが、
今やそれに近い時間を生徒たちは
毎日スマホに費やしていることになる。

それだけの時間を読書や趣味的な活動に充てたり、
もちろんその一部を勉強に充てるだけでも生徒が得るものは大きい。
スマホという小さな器械に貴重な時間を
吸い取られていると思うと空恐ろしい気持ちになる。
 
スマホを使ってみて、確かに様々な恩恵を受け、
また自分の世界が広がったことも事実ではあるが、
少なくとも依存はするまい、囚われまい、
賢く付き合う方法を自分なりに見つけていきたい、
との思いを新たにしている昨今である。

(岸) 




〔2014 / 6・7  No.13〕


六月三日、父が逝った。
 
早朝、病院に駆け付けたが間に合わなかった。
前日まで落ち着いていたので、
一度家に帰って仮眠をとっていた。

悔やまれる。

六年前にちょっとしたブームになった♪吾亦紅♪の歌が胸をよぎる。
中年の男が自らの身の上を母の墓前に告げる歌で、
すぎもとまさとさんが情感たっぷりに歌い話題になった。


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吾(われ)亦(も)紅(こう)
作詞:ちあき哲也  作曲:杉本眞人
 
マッチを擦れば おろしが吹いて
線香がやけに つき難(にく)い
さらさら揺れる 吾亦紅 
ふと あなたの 吐息のようで…
盆の休みに 帰れなかった
俺の杜撰(ずさん)さ 嘆いているか
 
あなたに あなたに 謝りたくて
仕事に名を借りた ご無沙汰
 
あなたに あなたに 謝りたくて
山裾の秋 ひとり会いにきた
ただ あなたに 謝りたくて… 
 
小さな町に 嫁いで生きて
ここしか知らない 人だった…
それでも母を 生ききった
俺、あなたが 羨ましいよ…
今はいとこが 住んでる家に
昔みたいに 灯がともる
 
あなたは あなたは 家族も遠く
気強く寂しさを 堪(こら)えた
 
あなたの あなたの 見せない疵(きず)が
身にしみていく やっと手が届く
ばか野郎と なじってくれよ
 
親のことなど気遣う暇に
後で恥じない 自分を生きろ
あなたの あなたの 形見の言葉
守れた試しさえ ないけど
 
あなたに あなたに 威張ってみたい
来月で俺 離婚するんだよ 
そう、はじめて 自分を生きる
 
あなたに あなたに 見ていて欲しい
髪に白髪が 混じり始めても
俺、死ぬまで あなたの子供…
 
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「吾も吾亦紅」と書いてワレモコウ。

私はひっそりと目立たないけれど、
紅を身にまとう花なのです…と
独り言をつぶやいているような、
どこかさびしげな晩秋の花。
 
私の父も母も、晩年はきっと長男である私と
一緒に暮らしたかったにちがいない。

そんなそぶりはみじんもみせなかったが、
さびしかったにちがいない。

この歌詞のように
〈ばか野郎となじってくれよ〉という心境である。
 
親が子を想う情はいつの世にも
「永遠の片想い」であるという。
片想いに応えられる年齢になったとき、親はいない。
本当に親不孝な息子である。


(真野)

 

二八のつぶやき〈第11回〉

2014年05月01日


5月になりました!
 
本日は、春を通り越して、
すっかり初夏のような陽気ですね。
 
桐朋講座も4月から新しい年度が始まり、
新・受講生も加わって、セミナーハウスにも、
フレッシュな風が吹いています。
 
新学期って、いいものですね^^
 
5月からは、「ハッピーアロマテラピー」や、
「プチ・フラワーデザイン」の講座も開講します。
 
「美文字を書こう!ペン字のワークショップ」(全3回)も
5月19日より始まりますので、
「何か新しいことを始めてみたいな……」と
思われていらっしゃる方は、
ぜひぜひご検討くださいませ。
 
お待ちしております!
 
 
さて、今年度初の、「二八のつぶやき」、
今回の担当は、真野先生です。
 
少し前とはなりましたが、話題は「ソチオリンピック」。
スポーツマンの、真野先生らしい「つぶやき」です。
 
 
それでは、どうぞ!
 
 
〔2014 / 4  No.11〕
 
 
「目標の達成はむずかしい。」
ソチオリンピックを見ていてつくづくそう感じた。
 
ここでいう目標とは、努力目標ではなく必達目標である。
努力目標は、言ってみれば
夢とおきかえてもいいかもしれない。
夢には未達成でもいい、との含みがあり、
その道のりに楽しさも見つけやすい。
 
一方、目標を達成するにはものすごい
プレッシャーを受ける。
それを楽しみ、明るく達成する域に達した者が
正真正銘の王者なのであろう。
たとえば水泳の北島康介、野球のイチローのように。
 
ソチでは、フィギュアスケートの浅田真央、
スピードスケートの長島圭一郎、
スキージャンプの高梨沙羅、
いずれもマスコミも本人も金メダルを目標に掲げ、
そのプレッシャーに押しつぶされてしまったように思う。
 
一方、スキージャンプの葛西紀明は
金メダルが目標でもあり夢でもあったのだろう。
プレッシャーを楽しんでいるようにも見えた。
たぶん経験の成せる業だったのであろう。
 
また、私が最も応援していたのが、スキーモーグルの上村愛子。
オリンピックでは16年間、7位→6位→5位→4位。
メダル確実と言われたトリノで5位だった時、
私はこれで引退だろうなと思っていた。
「もう十分がんばったよ、愛子!」と言ってあげたかった。
 
彼女はなんと
「まだきっと神様が努力が足りないと言ってるんだと思います。」
とコメント。
 
そしてバンクーバー、結果は4位。
「なんでこんなに一段一段なんだろう。」
のひと言が忘れられない。
 
今回のソチ、誰よりもメダルが目標だったはずだが、
彼女の口から事前にメダルという言葉は
ほとんど発せられることはなかった。
 
目標は「最高の滑り」と応えていた。
滑り終わった直後の彼女の涙はとても清々しかった。
結果はまたしても4位ではあったが、
目標を達成できたという涙だったのであろう。
夢(メダル)には届かなかったが。
 
自分自身もそうであるし、部活指導をしていても
夢と目標をいかに設定し
(それを口に出すかどうかも含めて)、
その達成のためにどういうプロセスを踏んでいくか、
私にとって永遠のテーマである。
 
(真野)

二八のつぶやき〈第9・10回〉

2014年03月18日


またもだいぶお久しぶりとなってしまいました、研究所だより。
一気に冬を通り越して春となりました……。
 
仙川キャンパスの花々のつぼみも日々ふくらんで色付き、
春の訪れを感じさせます。
これから4月にかけて、たくさんのお花が
キャンパスを美しく彩る季節となりますので、
機会がありましたら、ぜひご覧になってくださいね。
 
本日は、中学校の卒業式です。
風は多少強いですが、穏やかに晴れた良いお天気となりました^^
 
さて、今年度から始まった「二八のつぶやき」も第9・10回となりました。
来年度も引き続き連載いたしますので、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
それでは、どうぞ!↓



〔2014 / 1  No.9〕


ちょうど一年前の「轂」一月号に、
「私の授業スタンス」について書かせてもらったことを思い出しました。
今回は「授業とモチベーション」についてつぶやきます。
 
学びの動機付けには
「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の
二つがあることをご存じかと思います。
 
難関大学に合格することを最大の目的とした
受験教育は外発的動機付けの例です。
学ぶことが結果を得るための手段となることです。
 
二十一世紀は自己責任の社会だと言われます。
大学に合格した後も学び続けることが大切な時代です。
この生涯学習に結びつくのは内発的動機付けの学びです。
 
教師は学ぶこと自体が楽しいと生徒が感じる
内発的動機付けの授業を心がけなければなりません。
学びの原動力は好奇心です。
親や教師が楽しく学ぶ姿を見せれば、
生徒の知的好奇心も喚起されるはずです。
 
私は次のように思うのです。
 
「教師が好きで楽しいと思っていることを教える、
それがいちばんいい。
好きであれば深い知識も持っている。
そんな教師に教わると、その教科が好きになる。
楽しみが生徒に乗り移る。」
 
最近、企業でも業績評価などによる
外発的動機付けを見直す動きが
出てきているようです。
この背景には、人間がやる気になるためには、
仕事が労苦でなく、生きる意味を与えるものであり、
成長を感じるものでなければならないという
見方が出てきているからです。
 
企業は利益を追求しなければなりませんが、
社員がやらされているのではなく、
自分からすすんでやっていることが、
より生産性を高めることを示唆しているのでしょう。
桐朋学園にも同じことが…。
 
つまり学習においても仕事においても、
内発的動機付けの重要性は同じだということです。
こんなことを書いていると
「きれいごとを言うな、そんなことはわかりきってる。」
という声が聞こえてきそうですね。
 
くどいようですが、私は学習でも仕事でも
「好き」こそが最大のモチベーションであり、
意欲も努力も、ひいては成功への道筋も、
みんな「好き」であることが
その母体になっていると思うのです。
 
(真野彰)




〔2014 / 2・3  No.10〕
 
 
 
大雪の降りしきる中、
映画「スノーピアサー」を観に行ってきた。
2014年、世界の78か国が地球温暖化を食い止めるべく、
ある化学薬品を一斉に散布する。
 
そして、17年後の2031年。
散布された化学薬品によって、
全ての陸地が雪と氷に覆われてしまった世界。
わずかに生き残った人類は永久機関によって
走り続ける列車「スノーピアサー」の中で暮らしている。
 
その列車内では、先頭車両に住む富裕層がすべてを支配し、
後部車両に住む貧困層は奴隷同然の扱いを受けている。
そんな中、貧困層に生まれた男、カーティスは
自分たちを苦しめる理不尽な支配に立ち向かうべく、
仲間と共に反乱を企てる。
そんなストーリーの映画である。
 
映画を観た翌日、新聞で
「気候変動は大量破棄兵器」との見出しを目にした。
ケリー米国務長官が、インドネシアのジャカルタで
気候変動問題に関して講演し、
「気候変動は今や世界で最も恐ろしい大量破壊兵器と言える」と
警告した件に関する記事である。
 
ケリー国務長官はその上で、
二酸化炭素排出量削減のため、再生可能エネルギー導入を
世界的に進める必要性を強調した。
ケリー長官は、昨年、フィリピンを襲った超大型台風や
2011年のタイの大洪水を例に挙げて、
「この地域が気候変動の最前線にあるのだ」と語って、
アジア各国にこの問題への一層の取り組みを求めた。
 
たしかに、今後経済成長にともない
二酸化炭素排出量の増えるアジア各国にも
連携してもらわねばならないだろう。
 
映画「スノーピアサー」の原作は
30年ほど前のフランスのコミックだそうである。
30年前に地球規模での温暖化対策の失敗をベースに
あのようなストーリーを構築した原作者の慧眼には恐れ入るが、
実際の気候変動についての国際的な対策はどうなっているのか、
気になって調べてみた。
 
現状は、国連のUNFCCC(気候変動枠組条約)で
調整されているという。
UNFCCCでは人為的な変動と
非人為的な変動を分けて対策を立てているという。
 
人為的な変動とは人類の影響の可能性を
示す言葉として用いられているようだが、
二週にわたって関東地方に
大きな被害をもたらした大雪を目にしながら、
改めて今後人類は地球や気候変動に対して
負の選択をしてはならないとの思いを
強くした一日であった。
 
(岸)
 
 
好奇心を持つこと、世界のあらゆる事象から学ぶこと。
「自ら学ぶ」姿勢の大切さを感じさせる、先生方の「つぶやき」でした。
 
 
桐朋教育研究所では、
「〝学ぶ喜び〟に卒業はない」の信念のもと、
桐朋講座を運営しております。
 
教養を高める講座、創作意欲を満たしてくれる講座、
身体を動かす喜びを実感させてくれる講座……。
様々な講座がございます。
 
2014年度前期のお申し込み受付けは、4月7日より開始いたします。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、
ぜひホームページをご覧になってくださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。

いちむじん・コンサートのお知らせ

2014年01月23日

2014年、第1回目の研究所だよりです!
(大変、大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!)
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、本日は研究所よりお知らせがございます。

桐朋教育研究所では、「東日本大震災復興支援」といたしまして、
桐朋学園出身の方によるチャリティーコンサートを開催して参りました。


第4回目となりました今回は、
桐朋学園短期大学出身の新世代クラシックギターデュオ、
「いちむじん」さんをお迎えいたします。

2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」のエンディング曲を担当し、
一躍注目を浴びたいちむじんさん。
近年は、海外でもご活躍中です。

ポピュラー、映画音楽からオリジナル曲まで、
クラシックの枠にとどまらない、のびのびとしたギターサウンドで
聴き手の心を魅了してきたお二人が、
どのような音を届けてくださるのか、今からとても楽しみです!


日程は、以下のようになっております。

*日時:2月11日(祝・火)
*場所:ポロニアホール(桐朋女子中高内)
*チケット:1,500円(全席自由)

チケットは、桐朋教育研究所窓口(ポロニア館1階)にて
お取り扱いしております。

皆さまお誘いあわせの上、ぜひご参加くださいませ!