研究所だより

2011年06月21日

雨が降っていました。気が滅入っていたら、「雨を楽しもう」と云われました。

外を見ると、なかなか趣があります。ほんの少し前までは胡散臭いと思っていたのに、ちょっとした気分の変化で大きく変わるものです。

人間が一人ひとり違うように、雨にもいろんなものがあることに思い至りました。

イヌイットには「雪」という言葉がないそうです。雪の種類がさまざまで、それぞれに対応しなければならないので、その種類一つひとつに名前があるからだとか。日本語の場合には、雨のままで修飾語を冠せて分けています。

大雨、長雨、糠雨、小糠雨(粉糠雨)、俄か雨、天気雨、篠つく雨、横雨、朝雨、肘笠雨、地雨、一雨、遣らずの雨、通り雨、照り雨、日照り雨

「篠つく雨」は、篠(細くて群がり生える小さい竹)を束ねて突きおろすように激しく降る雨です。

「肘笠雨」は俄か雨のことで、笠をかぶる暇もなく肘を頭上にかざして袖を笠代わりにするからです。

「地雨」は決まった強さで降り続く雨です。地頭力(じあたまりょく)の地ですね。

「遣らずの雨」は、人を帰さないためであるかのように降ってくる雨。

 ほまち雨(私雨=わたくしあめ)…日照りのあとに、あるいは、不意に降ってきて、 限られた小地域だけに降る雨。

八重雨…ふりしきる雨。

気違い雨…晴れたと思うとだしぬけに降ってくる雨。

村雨(叢雨)…群れになって降る、または、ひとしきり強くなってくる俄か雨。

漫ろ雨(そぞろあめ)…思いがけなく降る雨。

「雨」を「う」と読むと、まだまだあります。

淫雨、陰雨、雲雨、煙雨、甘雨、寒雨、紅雨、穀雨、細雨、糸雨(しう)、驟雨、宿雨、沛雨、白雨、麦雨、飛雨、微雨、暮雨、暴雨、猛雨、緑雨、霖雨、冷雨、零雨

宿雨=霖雨、長雨。

沛雨…沛然(はいぜん)と(盛大に)降る雨。

白雨…夕立、俄か雨。

紅雨…春に花にそそぐ雨。

緑雨…新緑のころに降る雨。

麦雨…麦の熟すころ(夏)に降る雨。

飛雨…飛ぶように激しく降る雨。

零雨…静かに降る雨、小雨、微雨。

比喩としては、

血の雨、火の雨。

そのほかに

心の雨…心が晴れやかでない。

袖の雨…袖にかかる雨=涙

空知らぬ雨…涙

濡れぬ雨…松風(音が似ている)

 

五風十雨と言って、五日に一度は風が吹き、十日に一度は雨が降るのが、天候が順当だということになります。転じて、天下泰平を意味します。雨も風も必要なんですね。