2013年度 第16号 善竹十郎

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2014.1.28 Tue

演劇専攻 善竹十郎 (非常勤講師)

『狂言』の楽しさ

『狂言』は『能』と共に日本が世界に誇る650年以上も伝統ある古典芸術です。『能』が静的であるのに対し、『狂言』は動的と云われ、とてもこの二つは対照的です。
狂言の楽しさは、何と云っても喜劇としての要素が強いので、思わず『笑い』を誘いますが、ある意味で人間の弱さを表現していると云うことも出来ます。
例えば、禁止されていることを破ったり、誓った約束を守れなかったり、人の持っているものを欲しがったり、出来ないくせに出来ると見栄を張ったり、覚えたことを忘れてしまったり、虚言をはいたり、酒に酔って暴れたり、浮気をしたり、盗んだり、ありとあらゆる私たち人間の弱さが表現されているのです。

中世の室町時代に発達した狂言は、多くの人々に親しまれ今日を迎えていますが、マイクのなかった時代で野外で演じられていた『狂言』は、しっかりした発声で、遠くに届く声が伝承されていますから、本学の演習では大変重きをなしています。
謠で発声の基本を、舞で身体表現の基本を修得してから、例えば狂言『附子(ぶす)』を実演を実技公開テストで発表して、笑いや泣きや怒りという人間が本来持っている感情表現まで体得して貰っています。
学生たちは、狂言を学びながら学習する喜びを感じて、いつも目を輝かしています。
今では学生たちが、「授業が楽しい!」と云ってくれるのが最高の喜びになっています。

善竹十郎(能楽師) プロフィール
昭和42年早稲田大学卒業後より本学演劇専攻講師(勤続47年)。大蔵流狂言教室を主宰し、全国の小中高の児童生徒に狂言鑑賞及びワークショップで狂言が身近になる様に公演活動をしている。また平成6年にはフランスのピーターブルック演劇教室での講師、平成13年にはオランダのユトレヒト大学演劇教室での講師として海外での狂言の指導にあたった。平成20年2~3月に外務省派遣芸術家として南米3カ国(ブラジル・ウルグアイ・ベネズエラ)にて公演。同年5月には本学海外研修ルーマニア国シェイクスピア祭に参加。平成23年1月、日独修好150年記念能楽団副団長として文化交流使になる。昭和58年芸術選奨文部大臣新人賞、平成5年大阪文化祭賞。重要無形文化財総合指定保持者。