芸術科演劇専攻2年(47期)
声優コース試演会

トップページ  > イベントレポート  > 芸術科演劇専攻2年(47期)
声優コース試演会

「ダブル・ブッキング」  作・指導演出:小金丸大和

11月23日(土)・24日(日) 芸術科演劇専攻声優コース試演会「ダブル・ブッキング」を上演しました。

 作・指導演出の小金丸大和先生の指揮のもと、声優コース二年生の学生が大奮闘しました。「生アテレコ」と称して、動き担当の「ムーバー」役と、それにアテレコをしていく「スピーカー」役、2組のチームで舞台は構成されており、実に声優コースらしい試演会となりました。生で動いていく俳優に、生で台詞を被せていく。簡単そうに見えて、実に複雑な構造を声優コース一丸となって演じていたました。

 物語はある喫茶店での打ち合わせ風景から始まります。元売れっ子漫画家が、二つの出版社の新作読み切り漫画を両方とも請け負って(ダブル・ブッキング)しまったことから両出版社の編集担当が、事態の説明と、原稿の打ち合わせのために漫画家を呼び出したのです。漫画家は「売れっ子時代には週刊2本、月刊2本の連載を抱えていたこともあるから読み切り漫画2本ぐらい大丈夫です」と言いますが、青年誌『ヤングシャウト』の編集担当は「それは過去の話でしょ。あなたスランプなんだ、今回の読み切り漫画がダメなら契約を打ち切ります」と厳しい姿勢。一方、少年誌『週刊ウェンズデー』の担当は「とにかく内容の打ち合わせをしましょう」と言います。しかし、漫画家は「キャラクター達がまったく喋りださなくて、実は物語が書けていません」とのこと。呆れた2人の編集担当は自らの立場を守るため、そして、アイデアが枯渇した漫画家を救うため、一緒になって漫画の内容を考えていくことになります。

 こうして、少年誌『週刊ウェンズデー』のアクション時代劇【天空の剣士】と、青年誌『ヤングシャウト』のラブコメ学園物【パラダイス学園】の構想が語られていきます。編集担当から何度もツッコミを入れられ物語を書き直していく漫画家。その度に漫画家の脳内に現れるキャラクター達は何度も同じ場面を演じさせられます。台詞を変えたり、キャラクターを変えたり、設定を変えたり。その度にコロコロと変わっていく「ムーバー」と「スピーカー」の演技は観客の笑いを誘い、各キャラクターに個性を与えていました。

 なんとか打ち合わせを終えて帰宅した漫画家に待っていたのは「漫画の仕事をやめないなら離婚してくれ」と迫る妻でした。事あるごとに「才能が枯渇した」と自分のスランプを恨んでいた漫画家に、妻は「あなたは誰のために漫画を描いているの?」と問います。「ファンのために描いている」と答える漫画家。しかし、「あなたの一番のファンは、あなた自身よ」という妻の言葉に、漫画家は自らの漫画への情熱を思い出し、再び筆を手にとります。

 すると、喋らなかった「ムーバー」であるキャラクター達が次々に現れ、自分たちの肉声で喋り始めます。「またキャラクター達が喋り始めた!」と歓喜する漫画家。自信とやる気を取り戻した漫画家は猛スピードで原稿を書き始め、天空からは大量の原稿が降り注ぎ、元売れっ子漫画家の復活を暗示して舞台の幕は降りました。

 お手伝い頂いた、スタッフの方々。ステージクリエイト専攻から、制作の小林さん、照明の木滑さん。そして、小金丸先生と、声優コースの諸君。2ヶ月間の稽古と、4回のゲネプロ。そして、4回の本番。本当にお疲れ様でした!