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『友達』

専攻科演劇専攻試演会
『友達』


『友達』 作:安部公房 演出:ペーター・ゲスナー

11月16日(土)・17日(日) 専攻科演劇専攻試演会「友達」を上演しました。


 専攻科演劇専攻試演会『友達』が終了しました。本学教授でもあった安部公房氏の戯曲『友達』。国内外で何度も上演されているこの作品を演出のペーター・ゲスナー(本学教授)先生による大胆な指揮のもと、専攻科一年生と二年生が協力し、見事な演劇作品を完成させました。

 夜の都会。奇妙な八人家族が歌を歌っている。その名も「友達のブルース」。
彼らは、愛と友情を届けるメッセンジャーだという。一人ぼっちの孤独な人間を探してどこからともなくやって来た。
ある一人暮しの男のアパート。テレビゲームをしながら恋人と携帯電話で話しているとろこに、家族たちがどやどやと入ってくる。男は不法侵入だと警察に電話をするが、管理人や警官らは「具体的な被害がない」と取り付く島もない。出て行ってくれと頼む男に対して家族は、様々な屁理屈で応酬し、多数決の「民主的な」ルールを押し付け、男の婚約者や、家族を告発するためにやってきた婚約者の友人(元ジャーナリスト)も、うまく言いくるめ、更に男を孤立させてしまう。

 半月が経ったある晩、男は魅惑的な長女に誘われ逃亡しようとしていたことを次女が知ってしまう。次女は他の家族を呼びその事実を報告する。それぞれの意見と事実が提出され家長である父が言う。「ここはひとつ私に判断を任せてはもらえないだろうか?」。男を含めた全員が了承する。そして父は「檻の用意を…」と意外な判断を口にする。

男は弁解もむなしく、罰として玄関にあった靴箱を改造した檻の中に入れられてしまう。

数日後の朝、食事係りの次女は、憔悴している男に牛乳をすすめ、男がそれを飲む干すのを見届けると、檻の錠前の鍵をあげると男に言った。男は喜んでそれを受け取ろうとするが、突然ふるえが激しくなり、恐怖にひきつれて動かなくなった。次女は男の死の間際に、「さからいさえしなければ、私たちなんか、ただの世間にすぎなかったのに……」とつぶやき、檻にそっと毛布をかけすすり泣く。

 そして家族は再び「孤独な人間」を探しにどこへともなく旅に出る・・・。

 舞台の上に丸々アパートの一室を建て、その壁が全面倒れると公園になるという大胆な舞台美術は圧巻で、ペンキを塗らず生成りのままの壁や家具が、現代的な乾いた雰囲気を醸し出していました。善意の押し売りをすると家族、それを拒否する男の姿。本作が書かれた40年前と現在では社会の情勢もかわり、作品から得られる印象、解釈も大きくかわってきています。
 しかし、今回の試演会では現代社会の「個」の尊重、「個」の責任。そして「個」と「全体」との希薄な関わりなど、我々が無視できない問題を客席に投げかけてくる重厚で、しかし、ユーモア溢れる魅力的な舞台となりました。

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