特別企画インタビュー「桐朋教育とは」 Q.4 卒業生の進路が多彩な理由とは?

文・理・芸術・体育など多彩な分野に桐朋女子の卒業生は羽ばたきます。「人生で本当に自分のやりたいことをよく考える」、「大学合格自体がゴールと勘違いしない」。「進路指導は人生設計」と語る進路指導部主任の丸山明美先生にお聞きします。

 

進路を考えることは、卒業後の人生を考えることです。

中高在学中は、「進路」というと卒業後すぐの行き先をイメージしがちです。しかし、私たちは、そのあとの生き方すべてを考え、どんな生き方をしたいかということを考える力を身につけてほしいと考えています。進路指導は、進学指導ではありません。まさしく自分の道を見つけて欲しいと願って行われる「生き方指導」なのです。

そのためには、さまざまな活動の中で自分自身を見つめ、他の人々への理解を深め、刺激を受け、自他を認めていきます。行事、クラブ、委員会といった教育活動のすべてで、生徒が自主的に考え行動することが求められるので、個人の興味・関心・能力などの特性を引き出すよい機会となるのです。

「進路」を考えるさまざまな機会を中3から用意しています。

進路に関する具体的な動きが始まるのは中学3年生からです。高校進学時には、校長面接があり、自ら語る機会を持ちます。高校1年生以降は進路に関係するさまざまな企画があります。高1の6月末に進路適性検査を実施。11月には進路を見据えた高校2年次の個人時間割を作成。12月には職場体験をします。さらに、卒業生を招いて話を聞く機会も設けます。

進路を考えるようなさまざまな機会は用意していますが、高○の○月までに進路を決めなさいという言い方はあまりしたくありません。文系コース・理系コースといった志望によるコース制も敷いていませんから、高校2年の時点で文系理系どちらも視野に入れた時間割を作っていくことも可能です。そして、このころにはクラスの中にまったく同じ時間割の人がいない位に、生徒個々人の状況は異なり、それぞれの方向性が見えてきます。

進路指導の概要

自分で悩みぬいて決めるから、満足いく生き方ができるのです。

進路について、悩むだけ悩んでほしい。教員はできる限りの情報提供やアドバイスはしますし、いくらでも相談にのりますが、「私はこう考える。私はこうしたい」と生徒自ら発信することを求めています。そうやって、悩みに悩んで自分で決めたことこそが、生きていく上の本当の原動力になると考えているからです。

学習だけでなく、さまざまな活動を通して、自分を知る。そして、どんなことでも自分で考え、自分で決める。こうした姿勢をしっかり持っていれば、たとえ将来軌道修正をすることがあっても満足のいく生き方ができるのではないでしょうか。「私は今こういうことをしています」と、楽しそうに自信を持って語ってくれる多くの卒業生たちの姿が、何よりの証明です。

東京工業大学工学部建築学科2年 内村さん(64期赤卒業生) 自分で決めたから、自信を持ってやり通せます。

友人たちがやりたいことを次々に決める中、私は高2になっても、まだ文系か理系かでも決めかねていました。でも、桐朋での多くの行事、特に文化祭で有志での映画作りの経験を通し、自分が「モノづくり」が大好きなことに改めて気がついたのです。そして、建築へ進路を決めることができました。その後、通塾しないでの受験に不安を感じたときにも、数学の教師になりたくなって迷ったときにも、先生方はいつも温かく見守って相談にのってくださいましたが、最終的には自分で決めた進路だから、自信を持って進んでいくことができるのだと思います。