特別企画インタビュー「桐朋教育とは」 Q.3 通知表がなくても大丈夫ですか?

桐朋女子には「通知表」がありません。しかしそこには、学習進度の確認と次への課題設定を「通知表」以上に濃密に行うコミュニケーションの仕組み・土壌があります。「成績伝達」についてBブロック主任・櫟木祥子(いちのきしょうこ)先生にお聞きします。

 

単なる点数以上のフィードバックをします。

通知表はありませんが、それは評価をしないということではありません。前期・後期、各学期が終了すると、学級担任が生徒一人ひとりと個人面談を行って、学習状況やその他のことを伝えます。その後、保護者の方とお会いし、面談します。一人ひとりの成績に関する資料はたくさんありますし、学習状況だけでなく、生活全般にわたって単なる点数以上の情報をフィードバックしています。

学習の中で本当に大事なのは、学習して理解できた点とできなかった点はそれぞれどこなのか、また今後どうすればよいかを考えて次のステップに進むことです。そのためには、学習した成果を5や4などの単なる数字にするだけではなく、中身まできちんと伝えることが大切だと考えます。個人面談の内容は、生徒が自分で「面談ノート」に記入することで、自分とゆっくり向き合うための大切な材料となります。

「そのつど評価」で次にすべきことが、よく見えます。

通知表がないということは、テストがないということでもありません。小テストも含めたテストが多くあります。科目にもよりますが、テストの返却時には、克服すべき点や良かった点はどういったことかといった、きめ細かなコメントがつけられます。この細かなコメントは、次に何をすればよいのかということや、自分の未開発な部分などを考える大事なヒントになります。

また「テストはレントゲン」という言葉どおり、テストを受けたら必ず見直し、自分の弱点をしっかり補い、強みは伸ばすという姿勢を早く身につけることを大切にしています。そのためのテスト直しノートもきちんと評価され、またその評価がフィードバックされます。こうしたきめ細かい評価方法こそが、桐朋女子が長い間大切にしてきた「そのつど評価」という姿勢です。

「そのつど評価」の実践

自分の頭で考える力、発信する力が自然に身に付きます。

テストだけでなく、レポート等の提出課題もたくさんあり、それらや実技教科での作品や実習課題についても同じようにきめ細かなフィードバックがあります。テスト直しノートをはじめ、「やりっ放しにはしない」姿勢は、先生にとっては教えっ放しにしないことでもあり、次の指導に生かされていきます。

また、実験や校外学習が多くあり、「本物」に触れる機会がたくさんあります。こうした体験もすべてレポートとして提出することで、自分の頭で考え、自分でまとめる力が自然に身についていきます。卒業生からは、「大学で、どうして周りがレポートであんなに苦労しているのかがわからない」、「桐朋女子出身者は積極的に自分の意見を言うといわれる」という声がよく聞かれますが、そうした成果につながっているのです。