

学校は、その教育目標を達成するために、常に、より有効な方法を求めて試行錯誤します。それが教育課程の改訂です。 桐朋女子は、「豊かな感性と高い知性をバランスよくもつ創造的な人間の育成」を目指してきました。それをさらに進めるために、今回重視したのは、「生徒一人ひとりの可能性を広げるための教育課程」を編成することです。
最近、「多様化」という言葉をよく耳にします。桐朋女子はこれまでも、多様な生徒を育てる幅の広い学校であったと思います。新しい教育課程では、さらに一歩進めて、生徒一人ひとりの幅を広げることを目指します。

新教育課程表をご覧ください。(※新教育課程表のPDFはこちら)
中学では、各教科の目標をできるだけ授業内で達成できるように授業時数を改訂します。単に時間が増えるだけでなく、授業の進め方や形態が変わる教科もあります。
例えば理科は、物理・化学・生物・地学の4分野を、中1では融合的に学習し、それを基礎として、中2からは分野別に学習します。学習指導要領に定められた内容にとどまらない授業を、実験・実習中心に展開していきます。
また、中3の芸術に「主専攻」と「副専攻」を設けます。音楽・美術・書道の中から主専攻として1分野を選択し、高度な学習をしつつ、副専攻として他の2分野についても学習します。
他にも、例えば英語ではネイティブの教員による授業を増やす予定があり、社会科では授業内に作業学習を取り込むことや、模擬裁判等新たな参加型学習を取り入れることも計画しています。
詳細はまだ検討中ですが、基礎学力の定着と興味深い授業展開がともに成立するよう、各教科工夫を凝らしているところです。
高校では、「必修を充実させる」ことを重視しました。英語は高3まで、国語は現代文・古典ともに高2まで、数学も高2の数学Ⅱまで全員必修になります。また、理科は、4分野中3分野学ぶことになります。
自由選択制を特色とする桐朋女子のカリキュラムに、なぜ必修を増やすのか。それは、自由選択制を活かすために他なりません。社会全体が個人の自由、個性尊重を唱えるようになった現在、自由を与えるだけで自由を活かす力は育ちません。自らの幅を狭めることなく自己を鍛えるという段階をどのように置くかが重要であるといえます。必修を充実させることによって、むしろ生徒一人ひとりの可能性、選択肢は広がるものと考えています。
その上で、Cブロックには、これまで同様に多種多様な自由選択科目を設置します。
以上の改訂をゆとりある学校生活の中で実現するために、週6日制を導入することを決定しました。1993年、桐朋女子は世に先駆けて週5日制を導入しました。土曜日を家庭にお返しすることで自ら学ぶ自己教育力を育てようという趣旨は、生徒・保護者に浸透し、これまでに大きな成果を上げてきたと思います。
しかし、導入から18年がたとうとしている今、この間の子どもや学校を取り巻く状況の変化を直視したとき、桐朋教育の一つの柱として認知されている5日制を維持するよりも、6日制に踏み切ったほうが、桐朋女子の教育目標に近づくことができるのではないかと考えました。
もちろん、長年継続してきたシステムを変更するのは、たやすいことではありません。今回の教育課程改訂、6日制導入のために、膨大な時間をかけて検討してきました。教員全体で議論に議論を重ねて物事を決定していくのが桐朋女子のあり方、常に教育を第一に考え、そのためには変革を怖れないのが桐朋女子の伝統です。