桐朋の帰国生教育

 桐朋女子中学・高等学校にはたくさんの帰国生が学んでいます。2009年3月現在在籍している帰国生は223名、全校生徒の12.7パーセントにあたります。
 桐朋女子が「長い間外国で生活していた生徒」を初めて受け入れたのは50年近くも前の1959年(昭和34年)のことでした。その後、国公立の学校での受け入れ態勢も整うようになり、最近は、帰国生の受け入れを積極的にうたっている私学も増えてきました。しかし、桐朋女子では、日本の教育界が帰国生の教育に全く関心を持っていなかった時期から、帰国生を受け入れ、その教育にとりくんできた、いわば帰国生教育の老舗としての自負があります。そして、長い間に培ってきた経験と実績を生かした教育を行っています。

中学1年 中学2年 中学3年 高校1年 高校2年 高校3年 総数
帰国生 28 25 44 37 42 47 223
全生徒 303 288 302 275 299 287 1754
割合(%) 9.2 8.7 14.6 13.5 14.0 16.4 12.7
          帰国生の受け入れに関して
                    

1 桐朋女子中学・高校では、帰国生のための特別なクラスを設けて受け入れるのではなく、一般クラスに受け入れています。帰国生ということで、特別に扱うことはありません。これは帰国生受け入れ当初からの方針であり、長い間の豊富な経験によって、この制度のよさが共通認識となっています。桐朋では、帰国生ということで、特異な目で見られるというようなことはありません。もちろん、いじめなどありません。また、多数の帰国生が在籍しているので、同じように外国で暮らすという経験を持った仲間もたくさんいますし、帰国生でない生徒も、帰国生を自然にかつ好意的に迎えています。ですから、孤立感や疎外感を感じることなく、安心して心地よい学校生活が送れます。
  このように、生徒も教師も帰国生をごく普通に受け入れる「何気なさ」が桐朋女子の基本姿勢です。そして、一般クラスで受け入れるということは、教師も全員で帰国生の指導に当たっているということで、帰国生担当の一部の教師だけに任せているわけではありません。帰国生教育に豊富な経験をもったたくさんの教師の目ではぐくみ、きめの細かい指導をしているわけです。

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 「帰国生を特別扱いせずに何気なく受け入れる」というと「受け入れるだけで、その後は何も面倒をみない」と受け取られそうですが、そうではありません。これまでの経験をふまえて、さまざまな配慮がなされ、いろいろなプログラムが用意されています。
例えば
(1)帰国生1人について1枚ずつ「帰国生徒調査カード」が作成され、外国生活歴や教育歴、本校に入ってからの学習や生活の様子が記入されるようになっています。ですから、担任が交代しても、あるいは教科担当者が代わっても、このカードで、帰国生が本校入学後どのように適応してきたかを知り、教員がどのような対応をすればよいかを知ることができます。

(2)本校に入学した場合、外国生活についての作文を書いてもらうことになっています。そして、これらの作文は『帰国生の眼という金の背文字が押されて年度ごとに製本され、図書館に納められます。『帰国生の眼』は、異文化に関心を持つ本校の生徒たちにとって知的好奇心を満たしてくれる情報源になっています。

(3)英語の時間には、帰国生のための「特別授業」があります。外国生活で得た英語力をさらに伸ばすため、中学校1年から高校3年までの全学年の英語の授業の一部を割いて、アメリカやイギリスの現地校のレベルの授業を目標とした特別クラスを設けています。担当教師はすべてネイティブスピーカーの専任教員。とくに高校3年ではTOEFLやSATの試験対策も含めた高度な内容になっています。

(4)外国生活で現地校や国際校に通い、外国語をしっかり自分のものにしている帰国生の会話力を保持するために、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の「外国語会話教室が設置されています。日本人学校などからの帰国生のためのコースもあります。また、夏休みには,本校の八ヶ岳高原寮で英会話の合宿を行っています。これはネイティブスピーカーを講師に、英語だけしか使わないようにしようと約束しての合宿で、「英会話シャワー」と呼び、朝から晩まで英会話漬けになることを参加者は楽しんでいます。

(5)放課後に開設される「リソ講座」〔補習授業)が受けられます。帰国後学校での生活学習に一日でも早く適応してもらうことを願って、希望すれば、放課後に国語と数学の補習授業が受けられます。帰国生の皆さんの学習生活の資源(リソース)のための授業なので、時には国語・数学以外の日本事情の授業になったり、様々な情報交換の場になったりします。

  

 説明会などについては「桐朋に入るまで」のページをご覧ください。